功利的でリアリスト。物質至上主義なマテリアルガールたちは、富、地位、名誉が大好き。それらを手にしたときに浴びせられる人々からの羨望を糧に生きている。
その欲求を満たすには絶好のフィールドである東京で、彼女たちはいかにして「利益」を勝ち取っているのだろうか? また、その先になにを見ているのか……。
この連載では、なかなか語られることのない東京マテリアルガールのホンネを紹介していく。
早いもので、一年の終わりに向かってカウントダウンが始まろうとしている。
年末といえば、「ふるさと納税」の季節でもある。
「あ、そうだ。早くどこに寄付するか選ばなきゃ。なにもらおうかなぁ」
そう思ったアナタは、
- お得な話が好き
- もらえるものならなんでももらいたい
といった考えの方。
そして、
- 可処分所得が平均よりも高い
そういった方々である。
「ふるさと納税かー、友だちがなんか言ってたなー」
「けっこう前に騒がれてたのは知ってるけど、しくみとかよく分かんないなー」
そう思ったアナタは、失礼ながら、
- 情報感度が低い
また、
- 可処分所得は平均並、もしくはそれ以下
であることが予想される。
情報感度が低い方向けにふるさと納税のしくみを簡単に説明しよう。
名称に「納税」とあるが、実は寄付金控除の一種。2008年に始まった制度で、自分が生まれ育った故郷だけでなく、好きな地方自治体にも寄付できる。
【メリットは?】
1つ目は節税できること。寄付金のうち2000円を超える部分については、一定限度額まで全額控除され税金が安くなる。支払っている所得税や住民税が多い人ほど、控除額が増える。
もう1つのメリットは、寄付(納税)先から「お礼の品」がもらえることだ。寄付金の額に応じて、特産品や宿泊券などのお礼を用意しているところは多い。地方の自治体にとっては、減少する税収入を確保するのが狙いだろう。
引用元:日経マネー 「実質2000円で全国から特産品 ふるさと納税活用術」 2014/8/13(参照:2016/10/31)
つまり、寄付金は2,000円を除いて税額控除の対象となるうえ、寄付した金額に応じたお礼の品がもらえるため、2,000円相当以上のお礼の品がもらえればお得……というものだが、お礼の品の中には還元率が50%を超えるものもあり、非常にお得なのだ(ただし、控除額以上の寄付もできるが、そのぶんは本当にただの寄付になってしまうので注意)。
控除額は年収が高ければ高いほど高く、そのぶん寄付ができる。ということはもらえるお礼の品も豪華だったり大量だったりする。
つまり、ふるさと納税に対するリアクションいかんによって、納税額、ひいては年収の線引きもされてしまう。
年収別に控除額を見るのに最適なページを見つけたので参照していただきたい。
年収300万円の場合
年収のレンジの中では扶養家族のいない、独身世帯が最も控除額が大きい。
例えば年収300万円の独身世帯では3.1万円控除が受けられる。
そして3万円の寄付でもらえるお礼には、例えばこんなものがある。
もちろん〈1万円×3口〉寄付というやり方でもいい。同じ牛肉で見てみるとこんなものがあった。
これらが実質2,000円で手に入ればお得なことに変わりはないが、この年収のレンジの方々は情報感度がやや低く、「控除」とか「確定申告」とか言われるととたんに尻込みしてしまい、そのハードルを超えられない。
2,000円で上記のようなものがGETできることと、「なんかよく分かんないモノを理解し、チャレンジすること」を天秤にかけた際、お礼の品のほうを捨ててしまう人々なのだ。
年収500万円の場合
年収500万円になると、控除額は年収300万円の倍の6万以上なので、倍の量のお礼の品、もしくは一口5万円の寄付ができる。
5万円の寄付で貰える牛肉は……
ブランド牛に昇格した。
年収1,000万円の場合
1,000万円の場合を見てみると、控除額は18万を超える。一口10万円を超える寄付だと、もはや食品は該当しにくくなってくる。
・ 天領日田杉だけで作るダイニングテーブル(福岡県 大川市)
こういったものが実質2,000円の負担でGETできるとすれば、それはそれはお得だ。
冒頭に述べた「早く寄付しなきゃ!」と思う方々は、おそらくこの500万円~1,000万オーバーあたりだと予測している。このレンジ以上の方々は情報感度も高いので、もちろんこのようなお得なしくみは知っており、見過ごすには少々メリットが大きすぎる。
例外パターン
さて、もう1パターン上記に述べたいずれにも属さない反応がある。
「お得にお礼の品が手に入れられるのはいいけど、欲しいものは欲しいときに買えばいいじゃない?」
「お礼の品目当てで寄付をするのは本来の目的を見失っているから本望ではないなぁ」
これらは平均よりも“はるかに”納税額が高い方の反応だ。
彼らはセコセコと控除額を計算し、控除を受けるための手続きをするコストをかけるくらいなら、さっさと自分で必要なものを買う。それだけの財力・余裕があるのだ。
例えば年収3,000万円にもなると100万円近い控除が受けられる。一口100万円を超える寄付のお礼の品は、こんな感じ。
はじめの赤身肉の存在など吹き飛んでしまうような規模感である。
このように、もしあなたにおおよその年収が知りたい相手がいた場合、ふるさと納税に対する考え方を探ってみると大きなヒントが得られるのはないだろうか。
また、あなたがふるさと納税について述べるときも、態度や手に入れた品物のランクや量で年収感を推測される可能性があることを、念頭に置いておいてもらいたい。
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