フレンチデザインと日本の技術がコラボ。新しいチャレンジを続ける増永眼鏡のものづくりとは?

A Picture of $name 奥田 景子 Photography Courtesy of Masunaga Optical Mfg Co., Ltd. 2016. 3. 28

メガネやサングラスは、ファッションのトレンド。今年もクラシックやレトロが人気ですが、少しラグジュアリーで大人のニュアンスを感じるタイプがコーデの幅を広げてくれそう。そこで、今回発売された「MASUNAGA designed by Kenzo Takada」2ndコレクションのサングラス&オプティカルコレクションがオススメ。

「MASUNAGA designed by Kenzo Takada」は、パリを拠点にしているモード界の先駆的存在であるファッションデザイナー・高田賢三氏と、1905年創業福井県の老舗眼鏡フレームメーカー・増永眼鏡がコラボしたもの。
 コラボが生まれた経緯とその魅力、増永眼鏡のものづくりのこだわりやこれからのことを探ってみました。

 「MASUNAGA designed by Kenzo Takada」2ndコレクションからサングラス・Ryu(¥65,000+税)

「MASUNAGA designed by Kenzo Takada」2ndコレクションからサングラス・Ryu(¥65,000+税)

増永眼鏡と高田賢三氏とのコラボの始まりは、「MASUNAGA France」のスタッフが「MASUNAGA」の眼鏡を高田氏が愛用していることを知ったこと。付け心地の良さや高級感がある光沢など、モノとしての精度の高さを、高田氏は気に入っていたといいます。

2014年、フランス・パリで開催された世界最大級のメガネの展示会「Silmo(シルモ)」で「MASUNAGA designed by Kenzo Takada」1stコレクションを発表。同展示会で開催されている「Silmo dʼOr(シルモドール)」というアイウェアのアワードで、サングラス部門グランプリを受賞しました。

増永眼鏡としては、2015年にも「MASUNAGA GMS-106」が同コンテストのオプティカルフレーム部門でグランプリを受賞。2000年、2013年、2014年、2015年と3年連続、計4回受賞しているほど、増永眼鏡のものづくりは高く評価されています。メガネやサングラスにおける日本のクオリティの高さは世界で評価されていますが、増永眼鏡の受賞のポイントは、デザイン性とクラフツマンシップを両立させている点。

Altair(オプティカルフレーム)〈¥60,000+税〉

 Altair(オプティカルフレーム)〈¥60,000+税〉

細部にこだわる「Made in Japan」と、アートのようなデザイン性。チタンとアセテートという異なる素材を組み合わせたり、1920年代の宝飾品がモチーフの繊細な彫金は、細かい金型でプレスしたり、ハイクオリティな作業で作られています。

メガネやサングラスはファッションとしてだけでなく、機能性や耐久性も求められます。高田氏のアイデアがベースとなったデザインを、クオリティを落とさずに図面に起こし立体化する、という作業が最も大変だそう。骨格の違いも考慮され、同じデザインでもアジア仕様、欧米仕様と分けて作られています。

いまのトレンドは丸みを帯びたアイビー調ですが、「MASUNAGA designed by Kenzo Takada」コレクションのデザインのポイントは80年代。40~50歳がちょうど経験した、遊び心がある大胆で個性的な80年代のムードが新鮮で魅力的。ファッション性の高いシリーズが、ドレスでもカジュアルでもスタイリッシュにしてくれそう。

Ryu(サングラス)〈¥65,000+税〉

Ryu(サングラス)〈¥65,000+税〉

Altair(オプティカルフレーム )〈¥60,000+税〉

Altair(オプティカルフレーム )〈¥60,000+税〉

今年で創業111年という増永眼鏡の創業者・増永五左衛門は、福井県でメガネ産業を興した人物。その人生は、藤岡陽子の小説「おしょりん」にもなっており、主人公がゼロから産業を興していった熱い思い、自分のためでなく地域のために尽力した人生が描かれています。

いまではフランスやアメリカ、アジアにも拠点を構える増永眼鏡。ファッションの一部になったアイウェアのトレンドについて、増永眼鏡はものづくりをベースにしながらも、新しいトレンドを自ら提示していくべく、次のステップを思案中だとか。
 増永五左衛門の一つの物事にまっすぐ突き進む様、ネガティブをポジティブに変えていく行動力は、いまの増永眼鏡の丁寧なものづくりとチャレンジ精神に受け継がれているようです。

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