「ファッション図書館」で服を借りてみませんか? オランダに新登場した服の図書館「LENA」

2015. 5. 20

図書館とは、さまざまなメディアや情報を集めて保管しているところ。私たち市民が、無料で書籍などを借りて自由に閲覧することができる場所だ。日々素敵な本との出会いがあり、いくら本を読んでもタダ、それに新刊が続々と入ってくるのが図書館の魅力。服にも同じような施設があったら……?

オランダ・アムステルダムに、2014年12月、新しい「ファッション図書館」が登場。貸し出しているのはファッションに関する書籍……ではなく服だ。

ファッション図書館「LENA(リナ)」では、店内を歩きながら気になった服を自由に借りられる。返却期限は5日。その服を着て楽しんだ後、再び「LENA」に返すというしくみになっている。返却後は、また別の服を借りることができる。

良質なヴィンテージ品、ニューカマーのデザイナーズブランドや、気鋭のエコファッション・ブランドの服が、ライナップとしてまず保管されているという。利用者からも「寄贈」を募るため、随時アーカイブは増える。まるで自分では集められない量の服を保管したクローゼットだ。取り扱いは、いまはレディースのみという。

レンタルのみの利用料は月19,95ユーロ。「寄贈」をしても良い。持ち込んだ服と同点数まで、借りて行くことができる。気に入った服は、買い取ることももちろん可能だ。

衣服のレンタルサービスを通じて、「服との付き合い方」を提案していきたいというのは、友人たちとともに「LENA」を立ち上げたSuzanne Smulders。オランダだけでも年間2億4,000万キロのテキスタイルが捨てられている事実を受け、よりサステナブルな消費のあり方を提案したい、と考えたという。

共同設立者の一人、Suzanne Smulders

共同設立者の一人、Suzanne Smulders

これだけ大量のテキスタイルが捨てられている最大の原因は、大量生産・大量消費だと考えます。消費者を含めてファッション産業は、高度な職人さんの技術でできた、良質なものを作り、長く使うという方向に舵を取る必要があるのではないかと考えました。そのような衣服ならば、「LENA」のように、着なくなった服を誰かにまた楽しんでもらうということができます。

服をシェアするというのは、サプライチェーンにメスを入れる手段の一つでしかないと思っています。私たちは、シェアということ以上に、もっと広く服との付き合い方を提案したいのです。

「LENA」に保管されている服のクリーニングを請け負うのはドイツの電機メーカー「AEG」。同社の最新鋭の洗濯機では、水・電気の使用量が大きく削減されるという。使用する洗剤は「Seepje」の天然成分のもの。それらを通じて、服の寿命を伸ばすことが可能だと話す。

Smuldersは、「LENA」を通じて再びファッションを楽しみの溢れるものにしたいという。安く大量に服が手に入られることで、トレンドを簡単に取り入れることができるようになったが、同時に、みなが同じ格好をしているような気分になる。ストリートに、自分らしく個性豊かなスタイルが溢れることが理想だ。

新しい服やスタイルに挑戦する前に、「LENA」で試してから買ってもいい。一度試すだけでも、失敗が減り、結果的に捨てられる衣服が減る。買って着なくなったら、「LENA」に持ち込むことができる。「LENA」の別の利用者の、お気に入りになるかもしれない。

LENA

Website:www.lena-library.com
Address:Westerstraat 174h, 1015 MP Amsterdam

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