白くてサラサラの砂のビーチに、透き通ったマリンブルーのきれいな海……泳いだり潜ったり波に乗ったり。海のそばでボーっとしたりして過ごすのも、波の音を聞くだけで癒されます。とにかく海って本当に素敵!
日ごろ心に溜まっていたものを全て洗い流してくれそうな雄大な海。それなのに、あちこちゴミが落ちてたらげんなりしますよね。実は、725万トンともいわれる膨大な量のゴミが、海上・海底に漂っています。そんなあまりに増えすぎた海ゴミを片づけるため、世界各国で効果的な方法が研究されています。
ロンドンに、この海ゴミを集めて、家具として生まれ変わらせたデザイン・スタジオがあります。それは、「Studio Swine」のAlexander GrovesとAzusa Murakamiが2013年に行ったプロジェクト「The Sea Chair」。海に浮かぶプラゴミを船の上から集め、その場でクールな椅子に作り変えることに成功しました。
このプロジェクトでGrovesとMurakamiは、まずプラゴミを回収する航海へ。漁師さんとともに出港します。漁師さんが投網漁をする間にいっしょに絡まって集まるプラゴミを、色ごとに分けて小さく切り刻み、そのまま船の上でプラスチックを溶解。海の水で冷やして固めます。あとは脚と座枠をネジで止めてでき上がり。どこの海上で作ったかも、忘れずにタグに。
この「The Sea Chair」プロジェクトは、シンプルなメソッドで大きな問題を解決できるスマートなアイディア。各国で高く評価され、スロベニアのデザインビエンナーレで金賞を受賞(2013年)。カンヌでも2位に輝きました(ヤング・ディレクターズ部門)。
もちろん、溶けたプラスチックを使えば、家具以外にも作れます。そこで二人は、この一連のアイディアをオープンソース化。誰もが使えるように、自作した装置などを公開したそう。太陽光で作動するので、どこでも簡単にプラゴミを集めて溶かしてものづくりができるといいます。この手法を使ってより多くの人が“職人”になれば、本当にきれいな海に戻せる日も近いかも?
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