この季節。衣替えをしている方も多いと思いますが、「もう着ないな」っていう服はどうしていますか?
リサイクルショップに出したり、誰かにあげたり。それでも手間なときはまとめて捨てたり。正確な数字は算出されていませんが、一説によると日本では、年間約250万トンの繊維製品が消費され、200万トン近くがリサイクルされるかゴミとして捨てられています。うち、中古衣料として再使用されているのは約17万トンとも。
この量の中古衣料が全世界で出ていたら? その服はどこへ行き、どのように使われているのでしょう?
その答えを探って、ドキュメンタリーフィルムメーカー「Soul Rebel Films」が2012年に製作したのがフィルム「Unravel」。北インドの港から工業地帯まで歩みを追った14分の動画です。
まず服が届く港町で、服が盗難に合わないよう、傷をつける仕事をしている女性たち。先進国・西洋諸国について、限られた知識しかないので、捨てられた服を見て想像は膨らむばかりです。
「この服の持ち主は、大の洗濯嫌いなんじゃない?」「水不足が深刻で、服が洗えないんじゃない?」と、作業する女性たちみんなでうわさ話をしながら作業すると話します。「一度も着られたことないくらいきれいなんだもの」。
それから、デリーから車で2時間のパニパットという町へ。ボタンやジッパーなどの副資材を剥ぎ落とす作業が行われます。そこでも、女性たちはいろんな服を見て、先進国・西洋諸国の生活を想像しては笑ったり、同情したり……。「服をいつも見てるから思うけど、先進国の人たちは、きっと神様に優遇されてるんじゃないかしら」と、話す女性も。
服は最後に機械で解体され糸になります。全編はこちら(http://aeon.co/video/society/unravel-how-india-recasts-the-clothes-the-west-throws-away/)から見ることができます。