「アルケミストーー夢を旅した少年」(パウロ コエーリョ、角川文庫—角川文庫ソフィア)という本を久々に読みました。数年前に友人からプレゼントされた本なのですが、私はこの本で価値観が大きく変わったような気がします。友人たちの中にも不思議とそういう人がたくさんいます。
私のイチオシなので、ちょっとご紹介させていただきます(読書の秋ですしね)!
羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。
そこに、彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて。
長い時間を共に過ごした羊たちを売り、
アフリカの砂漠を越えて少年はピラミッドを目指す。
「何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる」
「前兆に従うこと」少年は、錬金術師の導きと
旅のさまざまな出会いと別れのなかで、人生の知恵を学んで行く。
欧米をはじめ世界中でベストセラーとなった夢と勇気の物語。(Amazon「BOOK」データベースより引用)
この本は、私たちが何かを強く望めば必ず前兆が現れ、それにただ直感的に従えば良いのだと教えてくれます。人生は、私たちがただ望むだけで道が勝手にできて、あとは直感を頼りに進んでいけば夢を叶えることができるようになっているというのです。
こういったお話は引き寄せの法則やナポレオン・ヒルの本「思考は現実化する」などでもよく似た話が出てきます。実はとても古くから「人類の叡智」として多くの人に知られていることなのだと思います。
さてさて「前兆に従えば夢が叶う」ーーこんなシンプルなことなのに、なぜ人はなかなか願いを叶えられないのでしょうか?
多くの人が小さい頃は大きな夢を持ち、それを成長する過程で忘れてしまいます。
「自分にできるわけがない」
「こんな時代だから」
「時間がない」
「お金がない」
と、自分に言い訳をして多くのことを諦めてしまいます。すると不思議なことに、始めは何度も語りかけてくれた「前兆」は消えてしまうそうです。そうしてそのうち人は自分が夢を持っていたことすらも忘れてしまうそうです。
羊飼いの少年も、夢を持って故郷を飛び出したものの、途中で現実に流されて何度も夢を忘れてしまいそうになりました。ですが、その度に「前兆」が教えてくれます。彼は特別努力をしたわけではなく、ただ目の前に訪れる「前兆」を信じて勇気を持って行動することで、夢を叶えたのでした。「アルケミスト」は、私たちに本当に大切なことを教えてくれているのではないでしょうか。
夢を叶えること、自分らしく生きることは、いま持っているものを手放さなければいけない場合も多く、少し怖いことでもあります。ですが、勇気を出して一歩前へ進んだとき、「前兆」は自分の想像以上の展開を繰り広げてくれるのだろうと思います。