筆者はこの春、初めてメキシコのファッションウィークに参加することができたが、非常に驚かされた。メキシコの文化、テキスタイルの伝統、またはそれらに受けたインスピレーションを、他にはないコレクションに昇華させていたからだ。
その中でも特に筆者が印象的だと思ったのが「Lydia Lavin」。2005年にキャリアをスタートさせたLydiaは、メルセデス・ベンツ・メキシコ・ファッションウィークやメキシコの重要なファッションショーであるSapicaやIntermodaなどで注目を集めるデザイナーだ。
「とうもろこしの女神」(※メキシコの主食はとうもろこし。いわば「豊穣の女神」の意味)と題された今回のコレクションは、オーガニックのコットンやシルク素材を使用し、穀物・果実・野菜などの穀物からインスピレーションを受けた色の展開となっている。また、地元メキシコの職人たちが、手仕事で刺繍しているという。なめらかなベルベットのような素材から、地元で調達されたレザーなど、幅広い質感の生地が展開されていた。
彼女のコレクションのファンは世界中にいる。スターモデルのHeidi Klumがホストを務めるドイツのリアリティ番組「Next Top Model」のデザイナーに招かれたり、2012年には、米・Fashion Group Internationalの「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」に選出されたり、オランダ美術館に展示されたりなど、彼女のものづくりは世界から注目を集めている。ぜひ次回も彼女のコレクションを見に、メキシコ・ファッションウィークに帰ってきたい。
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