サステナブルなファッションを実践するにしろ、たくさんの選択肢があるーーヴィンテージアイテムを着る、Made in USAのアイテムを着る、サステナブルな生地の服を着る……さて、どれが最も良いものか、悩んだことはないだろうか？ 米・エシカルファッションウェブマガジン「ECOSALON」が、3名のサステナブルファッションの達人に聞いているようだ。
ファッション断食挑戦中・Amy DuFaultの場合
まずは、ファッションライターであり、コンサルタントであるAmy DuFaultに聞いてみた。
「そもそも、ほとんどの消費者はサステナブルなファッションかどうかなんて気にしません。セカンドハンドショップ（※古着屋）に行く人も多いでしょうが、サステナブルだから行くという人は少ないでしょう」とAmyは話す。そんなAmyは、2014年「ファッション断食」に挑戦中だ。新しい服、ジュエリー、靴を一切買わないというもの。その理由をこのように話している。「すでにたくさんの服を持っているのに、まだまだ欲しい気持ちが収まらない。その気持ちがどこからくるものなのか、『ファッション断食』で分かるのではないかと思ったの。それに、お直しやリメイクなどもして、すでに持っている服をもっと好きになれないかとも思って」。
「ファッション断食」への挑戦が、彼女を「The Tailor Project」に駆り立てた。これは、テイラー（注文服の仕立て人）・Kathryn Hilderbrandとともに取り組んでいるもので、Kathrynによるお直しを募集しながら、テイラーにお直しをもっと依頼しよう、と呼び掛けるプロジェクト。「思った以上に反響があって驚いたわ。地域のテイラーの写真を投稿してくれたり、実際に服をお直しに持っていったって聞こえてきたり。世代も国も超えて楽しんでもらえているみたい」。
何が最もサステナブルな選択か？ Amyが現在1位にランクインさせたのは「テイラーによるお直し」のようだ。
大手企業でエココレクションを生んだ・Lynda Groseの場合
「セカンドハンドショップやヴィンテージショップで服を買うこと」を1位にしているのは、ファッション界のベテランLynda Grose。ESPRIT（※アメリカの総合ファッション企業）のエココレクションを立ち上げた人物だ。その理由を「古着やヴィンテージアイテムを買うのは、新しい資源を使用しなくて済むし、経済の輪の中でぐるぐる循環できるから」と話す。
Made in USAを推進する・Shannon Whiteheadの場合
では、やっぱり新しいものが欲しいときはどうだろうか？
Made in USAを推進するプロジェクト・Factory45の設立者であるShannon Whiteheadは、「どこで作られたものか、どういった繊維が使用されているか、価格、洗濯表示、そして寿命はどのくらいかーーそういったことから総合的に判断することが重要」と話す。サステナビリティは、「誰が」「どこで」「どうやって」全てを含んだトータルで実現されるべきものだからだ。「だから、買うときには『この服とどのくらいお付き合いできるかな？』と考えることが重要よ」とも。
トータルで考えることが重要と話すShannonは、「アメリカ人なら『Made in USA』。だけどそれだけじゃなく、その生地・繊維はどこのもの？ と考えることが重要よ」と答えた。しかし、複雑なサプライチェーンの中、それがかなりハードルの高いことは明らかだ。そこでShannonはこのようにランク付けしたという。
1. 古着
2. ヴィンテージ品
3. 『Made in USA』でサプライチェーンを積極的に開示しているところのもの（アメリカ人ならば）
4. サプライチェーンがエシカルで、アメリカ国外で作られているもの
5.『Made in USA』でサプライチェーンが多少なりとも開示されているもの
6. アメリカ国外で作られていて、サプライチェーンが多少は開示されているもの
7. メジャーどころの大手企業
「でもグリーンウォッシングには注意してね。エコやエシカルコレクションに積極的といっても、果たして本当にサステナブルかは分からないものだから」と最後に付け加えた。
さて、「ECOSALON」の本記事を受け、グリーンウォッシングに注意する、サプライチェーンを知ろうとする……「それが分かれば苦労しないよ！」ということの多いのがサステナブルファッションとも感じる。最も簡単なステップとして、まずは手持ちの服を見直し、お直ししながらなるべく長く楽しみつつ……というところから始めるしかないのか？ あなたの場合はどうだろうか？
