モーターバイクや自転車のタイヤを使ってフェティッシュなクチュールドレスを作っているのがデザイナー、Brigid Oesterlingによる「Brigid KO」。大学では陶芸、彫刻、絵画を専攻していた彼女は、「日々作品を作り続けていると、この地球上で溢れるように日々『もの』が生み出されるということが重なって、いつも気になっていました。もともと、環境には関心の高いほうだったこともあって、いつかリサイクルに取り組んでみたいと思っていました」と、その経緯を話す。およそ8年前から、紙やプラスチックなどの「ゴミ」を、針と糸ではないものを使って縫い合わせて作品を作るようになったという。
モーターバイクや自転車のタイヤを使うようになったのは、それらを自分が日々使っていたから。ある日、バイクのタイヤを付け替える作業中に「まるでレザーのような質感で、なんて美しいんだろうと思った」のが取り組むようになった最初のきっかけ。そして早速タイヤを使ってバッグやコルセットを作り始めたという。さまざまな素材を立体的に組み合わせ、彫刻のようなセンシュアルでエロティックな作品に仕上げる。
「素材をリサイクルして作品を作っているから、色や質感、フォルムは入手できるものでできるものに限定されてしまいます。その壁をいかに乗り越えるか。例えば、タイヤ固有の形状を人体にフィットするかたちに変える作業が最もたいへんです」と、Brigidは難しさを説明する。しかし、「難しい素材を全く新しいものに生まれ変わらせるのが楽しくてしょうがないのです」ともBrigidは付け加えている。