オーガニック・テキスタイル世界基準 GOTS バージョン4.0が発表 使用可能な素材の幅広がる

2014. 3. 11

2014年3月1日、オーガニックテキスタイル製造の国際的認証基準であるGlobal Organic Textile Standard(以下、GOTS)の国際作業グループは新しいバージョン「GOTS 4.0」を発表した。GOTSは3年ごとに改定しており、今回の改定のポイントは、混紡を許容される「追加繊維素材」が増えたこと。一定量以下であれば、環境に配慮していると評価された再生繊維および合成繊維の混紡が可能となり、より多くの繊維がGOTSに認定される可能性が高まる。

(IMAGE: Global Organic Textile Standard International Working Group)

(IMAGE: Global Organic Textile Standard International Working Group)



GOTSの認定ラベルには、オーガニック繊維 95%以上の「Organic」と70%以上の「Made with Organic」の基準値の異なる2つの認証がある。今回の改定の大きな変更点は、「Made with Organic」の製品で、30%未満であれば使用を許容される「追加繊維素材」の判定基準見直しがあった点だ。今後は、環境に配慮していると評価された再生繊維や合成繊維の使用が許可される。再生繊維とは、認証されたオーガニック原料あるいは持続可能な森林管理認証を受けた原料からの素材と、認められた基準に従ってリサイクル認証を受けたリサイクル素材。合成繊維とは、認められるリサイクル基準に従って認証を受けたリサイクル素材を原料とした合成繊維を指す。改定に当たって、GOTSの軸となる方針「①製品の少なくとも70%以上は認定された有機繊維であること」「②遺伝子組み換え技術やナノテクノロジーの禁止」「③発癌性物質の禁止」などは保持された。

今回の変更点について、GOTSテクニカル・ディレクターであるマーカス・ブリューゲル氏は「今後、テキスタイル製造の関係者はリサイクル素材や環境に配慮した合成繊維を混合(※30%未満)することでより多様な繊維を選択できるようになる。GOTSが繊維の選択肢を広げることは、結果として認証された有機繊維の使用をさらに支援することになる」と話す。

さらに、児童労働の禁止を含むGOTS社会規範では、国際労働機関(ILO)の協定に基づいて現地検査で監査の対象となる範囲が明記された。新版では、Fair Wear Foundation、Social Accountability 8000(SA8000)や、Worldwide Responsible Accredited Production、The Business Social Compliance Initiativeといった他の社会規範の検査結果をGOTSの検査の中でも検討されることになる。 また、火災予防と避難訓練が「健康と安全の訓練要件」に加えられた。

2012年、GOTSで認証された施設数は世界62カ国にあり、3000件を超えた。2013年はアジアでの認証件数が減ったものの、ヨーロッパで大きく増加し、合計で3085件と成長した。GOTSマーケティングディレクターのクラウディア・カースティン氏は「企業にとってGOTS認証はサプライチェーンの管理に役立つだけでなく、商品の差別化につながっている。GOTS認証取得によって企業は本当に持続可能なテキスタイル産業を担う一端となり、長期的に見れば企業自身の成功につながる」と説明する。

今回発表されたバージョン4.0およびこれまでに認定された企業や施設は、全てウェブサイトとサイト内のパブリックデータベースで検索可能となっている。

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