1月12日(土)、2013年の冬に撮影終えたばかりのショートフィルムオムニバス「フェアトレードボーイ」の上映会&トークショーが開催されました。「フェアトレードボーイ」は、世界の貧困や環境問題をふだんのお買い物から変えていくフェアトレードを若い人たちにもっと知ってもらいたいということからNPO法人ハロハロが企画したコメディの短編映像作品。
当日は、NPO法人ハロハロ代表・成瀬悠さんの司会進行の下にスタート。「忍たま乱太郎」「逆転裁判」などの舞台で活躍中の林明寛さん、「薄桜鬼」「銀河英雄伝説」など舞台を中心に活躍する新進気鋭の若手俳優・廣瀬大介さん、プロデューサー兼脚本家のなるせゆうせいさんがゲストとして登場すると、ざっくばらんな明るい雰囲気でトークが始まりました。
フェアトレードは知らなくて「ボーイズラブかと思った」! けどポテトを一気食いで解説!
「どうしてこんな作品ができたのか、この映像を作ることになった経緯は?」という問いに、なるせさんは「ハロハロとは長い付き合いがあり、フェアトレードというものを伝えるために悪戦苦闘しているのをずっと見ていました。僕は舞台や映画を作る人間で、伝えたいものがあるっていうのはおもしろいと、撮ることになりました」と説明。出演者も、「フェアトレードなんて聞いたことなくて、『もしかしてボーイズラブ系?!』って思って(笑)。でも台本を読んだらぜんぜん違った」と、早くも会場の笑いを誘いました。
早速第1話「言っとくが、オレはフェアトレードが何かを知らない」の上映へと移り、全員で画面を見つめます。第1話は、会社をクビになった3人の若者たちーーかっちゃん、ぐっち、たもつがカフェでだべっているところから始まり。「どうせなら『世の中にイイコト』をしようぜ」と盛り上がり、フェアトレード団体の扉を叩いた3人は、元・営業マンとしてフェアトレード商品の販売を任されていました。しかしそれにしても浮かない様子。なぜかと思いきや、最年少であろうたもつくんが放った一言「フェアトレードって何ですか?」。そう、3人は全く何がなんだか分からないまま、途方に暮れていたのでした。先輩2人も「フェアなトレードだよ! イチローとダルビッシュならフェアなトレードだけど、イチローと甲子園選手のトレードはフェアじゃないだろ!」とざっくり説明。それを聞いたたもつくんは「じゃあなんで、みんなフェアなトレードしないんですか?」とナイスな質問をかまし、先輩2人は返答に詰まります。
続く第2話「そもそもオレはこの商品を知らない」は、営業マンとして「商品を売るためにどうすればいい? まずは商品を知ることだ!」と3人がそれぞれの商品を手に取り眺めるところから始まります。商品がゴミでできていることを聞かされたぐっちくんは「それじゃあ原価ゼロで、作った人のボロ儲けじゃん。しかも2000円って高くね?」と半ばなじりぎみ。対してかっちゃんは「それは今、一般的に出回っている商品が安いから、2000円を高いと感じるんだ」と反論。なぜ安くなっているか、なぜ寄付ではなくフェアトレードなのか? を熱っぽく説明します。
1話を振り返り、他の2人を引っ張るかっちゃん役の林さんは「ポテトを本気で食べるのが辛かった。ポテト食べ過ぎて、お昼食べられなかったもん」とこぼし、またもや会場の笑いを誘いました。ポテトを思いきり食べたのは、フェアなトレードがなぜ行われないかを説明するシーン。ざっくりな説明ながらも、フェアトレードとは何か? が感覚的に説明となっていましたが、そのために林さんは体を張ったようです。
フェアトレードに関する3択クイズ! 前編
その後は、会場の全員でフェアトレードに関する3択クイズ。なかなか難しい問題に会場は苦戦します。例えばこういった問題がーー「AngKyutも掲げている『アップサイクル』、意味は?」。みなさん、いかがでしょうか?
正解は③一歩上をいくリサイクルですが、リデュース・リユース・リサイクルという言葉に惑わされて選んだ人が多数いました。
第1部は、「この映画をきっかけにフェアトレードっていうことや、少し知らなかった世界が広がってヨノナカのことを考えるきっかけにしてくれたら嬉しいです」という林さんの言葉でいったん閉会となりました。