あれもこれも「エコ」と謳っていて、本当に「エコ」なものを見分けることは難しいいま。「Fragments」ではこれまでも「エコファッション(※ここでは統一して『エシカル』ではなく『エコ』とします)」とはどういう意味か? を考える記事を配信してきました。
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「エコファッションは本当にエコなのか?」
「『エコファッション』――誰も『エコ』の意味を定義していない」
その中で生活者はどうすべきか? 米・エシカルファッションメディア「ECOSALON」が紹介しています。
「エコ」の意味は多様
ヴィーガン(※動物性原料を一切使用していないこと)であること? カーボンフットプリントを抑えた生産のもののこと? フェアトレードのもののこと? オーガニック? リサイクル?
……このようにすぐ、多様な回答が想像できる。「エコファッション」を一つの定義に収斂することは、どうやら困難なようだ。その定義さえ困難であるならば、どうやってそれが「エコ」かどうかを見分けることができるだろう? 逆に、本当に持続可能なやり方をしていたとしても、そうだと分かりづらいことも問題だ。
「大手ブランドのエコマーケティングを本当に信じて良いものか?」「小さなブランドをいかに少ない出費で支援できるか?」そうした疑問に遭遇した生活者も少なくないだろう。その疑問に答えるのはなかなか難しいが、自分の知識を高めていくことで、より自信を持って判断していくことができる。
何が「エコブランド」たらしめるか
エコファッションの定義は人それぞれだが、それに取り組むブランドのやり方もそれぞれだ。本当に何がエコなのか分かりにくい中、何がエコブランドをエコブランドたらしめるか?
それは「どういった思いとモチベーションで服/アクセサリーを作っているか」ということに尽きる。一人でも多くの人にメリットを提供しながらも地球にはできる限り負担をかけないために、どんな方法を取っているか、である。
素材の調達から製造まで、世界各国で展開しなければならない昨今、それは簡単なことではない。それゆえ、なかなか市場で戦える価格まで落としこむことができずに撤退するブランドは後を絶たない。しかしそれは、生活者がブランドの姿勢を知り、支持すれば回避可能になる。
生活者はいかにして「エコファッション」と付き合うべきか?
誠実なブランドはやはり目立ってくるし、真にクリエイティブであるかは服を見れば一目瞭然だ。環境にどんな変化を生み出しているのか、人々の生活にどんな変化を促しているのか……クリエイティブな服に惹かれて出合ったブランドのストーリーに触れたら、あなたはきっと「エコ」の意味を体感するに違いない。
だからもし、興味を持ったブランドがあれば、ぜひその背景のストーリーまで一歩深く調べてみてはいかがだろうか? その生産プロセスやミッションに心打たれたら、きっとよりいっそうその服が好きになるはずだ。そしてそのストーリーをぜひ、家族・友人たちにシェアしてみてほしい。
「エコ」という単語は「環境」に関連した言葉だが、環境が内包するものは人・動物・社会と幅広い。ゆえに、「エコファッション」が内包する意味が幅広いのも仕方ないことではある。しかし、いくつものストーリーに出合うことで、自分なりの「エコファッション」の定義を見出していけるはずだ。アパレル産業が一夜にして変化することはない。しかし、小さくとも確かな変化を作っていくのはブランドだけではない。あなたも、その一員なのだ。