【連載】Liv:ra小森優美の楽しく世界を変える【全12回】

幸せをつくる心「吾唯足知」

人は誰もが幸せになりたくて生きている。

みなさんは、今、幸せですか?^^ 私は今、とても幸せで充実した毎日を過ごしています。そして、いままでとても曖昧だった自分にとっての幸せとはいったい何なのかを日々実感しています。何が幸せかは人によって全く違うと思うのですが、その根本にある心の状態については実はシンプルに一つだと思うのです。

今日はその幸せな状態ってどういう状態なのかをお話しますね!

道端に咲く花を見て、あなたは何を思いますか?

私は1年ほど前から、食べ物がとてもおいしく感じられたり、美しい自然の風景、美しい建物、美しい音色に感動したり、いつもの友達と遊んでいるだけで心の底から楽しかったり、目の前の人に胸がこみ上げるほど感謝が溢れたりすることが増えてきました。

最初は、ふと気がつけばそうなっている自分に「あれ? こんなに感動屋さんだったかな?」と思うくらいだったのですが、徐々にその状態であることのほうが日常になってきたのです。

「花が美しいのではない。花を美しいと思う心が美しい。」という言葉をどこかで聞いたことがあります。私は初めてこの言葉を聞いたとき、心の中に深い感動を覚えると同時に、なぜ自分の感受性がぐっと上がったのか、その答えを見つけたような気がしました。

道端にきれいなお花が咲いているとしましょう。そのお花を見て感じることは人にとってさまざまだと思います。

「なんてきれいなお花なんだろう。かわいいなぁ」と思う人。忙しいからいちいちお花に感動なんてしていられない人。もう春が来るんだなぁ、と季節を感じる人。まったく何も感じない人。嫌な思い出を思い出して後悔で溢れてしまう人。もっと大きくて派手なお花がいいと思う人。

©Yumi Komori

©Yumi Komori

感情はさまざまだと思いますが、お花を見たその瞬間、幸せを感じられるのは誰でしょうか? それはもちろん、お花にときめく人ですよね。そして心はお花の美しさを感じることができると同時に、怒りや悲しみ、恐れを感じることもできます。

私たちは生きていくうえで、全く同じ状況下においても、周りの環境や社会への不満を感じることもできるし、感謝をすることもできます。どちらに心の焦点を当てるかは、それぞれの自由です。

心が自由であることを知ったとき、私たちは外の現象に意味をつけるのは自分自身だということに気がつきます。そう考えると、幸せは外の世界にあるのではなく、心の中にあるといえるのではないでしょうか。

お花はただのたとえ話ですが、もしたくさんの高級で価値のあるものに囲まれても、そのものに感動を覚える「心」がないと、私たちはどんなにたくさんのものに囲まれても満たされることはないと思うのです。有名になって、たくさんの人に注目されること。お金をたくさん持って、たくさんのものを手に入れること。どれもすばらしいことだと思います。

ですが、今の社会はこれら「外の現象」に重点を置きすぎて、「心」を置き去りにしてしまっていると感じるのは私だけでしょうか? 「心」を置き去りにして外観だけを飾っていくことで、幸せに満たされることは、ありえないと思うのです。だって、一つのお花を心から美しいと思わなければ、何本あっても一緒なのだから。

あなたの周りをすでに囲んでいるもの

「吾唯足知」
われ ただ たるを しる

という言葉があります。「足ることを知る人は不平不満がなく、心豊かで幸せな生活を送ることができる」という意味です。この言葉は慎ましやかで貧しい生活をしなさいという意味に思われがちですが、少し違います。

遠くのものを手に入れようとするより、目の前の人を愛し、見る物を美しいと思える心を保つこと。そうすることで自ずと幸せが膨らんでいき、欲しいものは自然と手に入る。私はこの言葉からそんなメッセージを感じます。

たくさんのものを欲しがらなくっても大丈夫。いま手に入れていないものを渇望するよりも、少し立ち止まって、いまあるものを愛してみましょう。

そばにいてくれる大切な人。楽しく充実した仕事。心のこもったおいしい食べ物。故郷の美しくて雄大な景色。川の水面に映る太陽のきらめき。夜空に浮かぶキラキラな星……

そんなたくさんのすばらしい存在を深く感じることができたとき、あなたは気がつくはずです。もうすでにたくさんのときめくものに囲まれていることに。幸せを追い求めなくても、本当はすでに幸せなのだということに。

過去に後悔するわけでもなく、現状に不満を持つこともなく、未来に不安を抱くこともなく、ただ目の前にある平凡な日常にときめきを感じ続けられること。それこそが、私が見つけた「幸せ」の定義です。そしてこの満たされた今の連続が結果として、追い求めるよりも何十倍も簡単に夢を叶えてくれるだろうと思うのです。なぜなら、私の経験では、幸せな状態は、とどまることなく膨らんでいくからです。

心の焦点をどこに当てるかは自由

心が自由で、焦点をどこに当てるかも自由であるならば、私たちは幸せだけに焦点を当てることができるはずです。例外なく、焦点を当てたものが膨らんでいきます。社会は不安や焦りや怒りに焦点を当てていますが、不安や焦りや怒りを膨らませることは、本当に私たちが望んでいることでしょうか? このまま放っておけば、社会の不安はどんどん膨らんでいき、多くの人がそれに飲み込まれてしまうでしょう。

どうか可能な限り自分の幸せに焦点を当てて下さい。それは決して現状の問題を無視したり、不真面目なことではなく、幸せの量を膨らませて不幸を打ち消し世界を変える、すばらしい魔法なのです。

自分が幸せで、誰もが幸せになって、地球も幸せ。そんな時代がやってきます。もう遠い未来のお話ではなく、もうすぐそこまで来ています。そんな少し先の未来を見据えながら、まずは少し立ち止まって、周りの景色を見渡してみましょう。「吾唯足知」。幸せはすでにここにあります。あなたの感じる心そのものが、幸せです。感じましょう、「今」。

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