2013年4月24日に起こった、バングラデシュの首都ダッカ近郊サバールでラナプラザ・ビル倒壊事故。その後補償を求めた活動が行われ、2013年12月24日、その補償ファンドが設立されることが発表された。これは、入居していた衣料工場を下請けに利用していた複数企業によるもので、総額およそ4千万近くが掛けられる見込みという。今回のファンドは、バングラデシュ政府、ILOなどの労働基本権各種団体、El Corte Inglés、Le Bon Marché、Primarkなどの企業が中心となり設立し、約250万円($25,000)が各遺族に支払われるほか、負傷者には医療費が支払われる。
同ビルは8階建てで5つの衣料工場が入居しており、およそ2500名以上が勤務していた。このビルは違法建築ということで、前日には当局が避難を命令していたにもかかわらず、衣料工場経営者はこれを無視し操業を続けたうえ、同工場では1日欠勤すると3日無給で勤務しなくてはならないために工員も出勤せざるをえない状況だったいう。その結果、1000人以上が死亡する惨事となり、世界中の注目を集めた。その後の対応を巡っては、補償には対応しないとする企業もあり、論争を引き起こしていた。
参考:SYED ZAIN AL-MAHMOOD ‘Four Retailers Set Up Bangladesh Compensation Fund‘ The Wall Street Journal, 2013/12/24