人々が群がるブラック・フライデーとサイバー・マンデー
みなさんこんにちは! 今年ももう12月、ニューヨークでもツリーやデコレーションが目立ち始め、クリスマスへの準備が整いつつあります。
そんな中、先日ニューヨークはサンクスギビングデー(収穫祭;毎年11月の第4木曜日)を迎えました。サンクスギビングデー翌日の金曜日は「ブラック・フライデー」と呼ばれ、有名デパートをはじめ、家電量販店やショッピングモールなどほぼ全てのお店がクリスマス商戦に向けてのセールを開始します。ブラック・フライデーは、小売店にとって1年で最も売上が高く、黒字になることからこう呼ばれています。ニューヨークではセールに向かう人々でごった返し、中にはサンクスギビングデー当日の木曜日深夜から列に並ぶ人もいます。
そして、その翌週の月曜日は「サイバー・マンデー」と呼ばれるオンラインショップのセール開始日で、オンラインショッピングの普及とともに広がった慣習です。今年の売れ行きは特に好調だったらしく、その日1日の売り上げは17億ドル(日本円換算:1兆7,000億円!)にものぼるそうです(*参考: NBC News)。日本でもAmazonがこのサイバー・マンデーを「ネットショッピングが最も盛り上がる日」として2012年から導入しています(*参考)。
アンチ・ブラック・フライデー
しかし、このような人々の消費を促す行動に異議を唱えている人たちもいます。
「Buy Nothing Black Friday Movement」という活動は大量消費社会への抗議運動で、アメリカを始め、日本、ヨーロッパなど世界37カ国で開催されています。大量消費社会をもう一度見つめ直し、サステイナブルなライフスタイルに切り替えていこうとするムーブメントです(*参考)。アウトドアウェアのパタゴニアはアンチ・ブラックフライデーを掲げ、「今、自分が持っている洋服を大切にしよう」というメッセージが込められた動画を公開しています。洋服って本来、肌に触れ、自分を包んでくれている一番身近な存在です。もし、長い間洋服を大切に着てきたら、かけがいのないものになっているはずです。自分の人生にストーリーがあるように、一緒に過ごして来た洋服にもストーリーがあるはずなんですよね。しかし、現代はワンシーズン、もしくは数回着たら捨ててしまうこともしばしば。私たちはモノに対する愛着を忘れつつあるのかもしれません。このムービーは長年モノを愛することの温かさを教えてくれます。ぜひご覧ください♪
年々商業的な意味を強めるサンクスギビングデー。当日からお店を開けてセールを始めるところもあります。しかし、サンクスギビングデーは本来、家族や親しい人々との親睦を深めるはずの日。しかし、セールのためにサンクスギビング当日に働かなければならない人は、家族どころではありません。それは良くないと、最近では小売大手のCOSTCO(コストコ)や高級デパートのNordstrom(ノードストローム)など、サンクスギビングにはお店を開けないという決断をした小売店も出てきました。
これからは、フェア・チューズデー! ということで行ってきました!
ブラック・フライデー、サイバー・マンデーに対し、「フェア・チューズデー(Fair Tuesday)」を掲げてキャンペーンを行っているのは、「Global Goods Partners」というニューヨークのNPOです。このキャンペーンは、サイバー・マンデーの翌日の火曜日をフェア・チューズデーとし、エシカルな消費を促すものです。同NPOは、一回の購買行動がどのように社会を変えていく力があるのかを知ってもらうために、このキャンペーンを始めたそうです。
そこで私も実際に12月3日のフェアチューズデー当日、「Sustainable NY」というエシカルな雑貨やアクセサリーなどを数多く取り揃えているお店に行ってきました!
奥にはカフェスペースもあり、ヴィーガンのアイスクリームやフェアトレードのコーヒーなどが楽しめます。かわいい雑貨やアクセサリーなどがいっぱいで迷ってしまったのですが、「ALAFFIA」というブランドのシアバターを購入しました! ALAFFIAはフェアトレードのスキンケア商品ブランドで、東アフリカにおける教育の質の向上や妊婦さんの健康管理、環境保全などに多岐にわたる分野で積極的に支援をしているそうです。シアバターを使用してみると、本当に質も香りもよく、気に入ってしまいました♪ ニューヨークの冬は、東京と比べものにならないほど乾燥するので、保湿対策ができるシアバターはこの冬重宝しそうです!
年末年始のセールは消費者にとって大変魅力的なものです。私自身、セールと聞くと「せっかくだし、何か買おう!」と、いつも思ってしまいます。しかし、一度そんな消費スタイルについて立ち止まって考えてみることも、大事なことかもしれません。ニューヨークのブラック・フライデーから始まるホリデー商戦を肌で感じて、あらためて「安いから買う」「使い捨て感覚で買う」という考えとはちょっと違う消費スタイルを探っていきたいなと強く感じました。
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