「エコ」「グリーン」「エシカル」……いったいどの言葉が適切なの? エシカルファッションにまつわる単語のケーススタディ

2013. 2. 12

サステナブルファッションが抱える悩みの一つは、「サステナブルファッション」の概念を定義できていないことだ。多くの場合、私たちは「サステナブル」「グリーン」「責任持った(responsible)」「配慮した(conscious)」「エシカル」という単語を用いてこの概念を形容している。

ここで一つの疑問を指摘できる。これらの“形容詞”のうち、より多く使われているものはどれだろう? もう使われなくなってしまったものはあるのだろうか? 消費者・アパレル産業はどの言葉でこの概念を語っていることが多いのだろうか? こうした疑問を追求していくに適切なツールが用意されているではないかーーGoogle KeywordsとGoogle Trendsだ。

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検索エンジン・Googleで検索されている単語の中で、「サステナブルファッション」「エコファッション」「グリーンファッション」「責任を持ったファッション」「配慮したファッション」をそれぞれ比較した図が上記である。しかしそもそもなぜ、こうしたことを考える必要があるだろう? それにはいくつか理由がある。

まず消費者、もっと言えば市場で、どういった言葉が使用されているか知る必要がある。より分かりやすい言葉で、自分たちのエシカルな取り組みを説明できる。ステークホルダーにとっても有効だ。

次に、どの単語がより広く知られているかを照らし合わせて学ぶことで、サステナブルファッションに含まれるさまざまなコンセプトを互いに理解することが可能になる。例えば、「グリーンファッション」といえば、環境保護への取り組みが想起されるだろうし、「フェアトレードファッション」は生産に関わる人々が受ける利益を最大化させていく試みになる。

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Google Trendsで、2004年以降「サステナブルファッション」類の単語の検索指数を調べてみると、次のことが分かる。

・「グリーンファッション」……2004年以降最も検索回数が多い。このトレンドは今後も続くと予想される。
・「オーガニックファッション」……「グリーンファッション」に続いて多く検索されている単語。コットンなどの繊維類の単語との関連性が強い。
・「フェアトレードファッション」……2004年のピーク以降、減少傾向にある。同年、Fairtrade Foundationによるフェアトレードコットンの認証が開始したことに連動していると推察される。
・「エコファッション」……サステナビリティがアパレル産業で話題になった2008年にピークに達している。
・その他「配慮したファッション」「責任を持ったファッション」……2007年以降出現した単語である。環境・社会性を包括した意味を持つ単語だが、2009年以降は減少傾向にある。世界的な不況の流れとともに生まれ、消えていく単語なのだろう。

認知度でいえば、繊維を表す単語としても、ムーブメント全体を示す単語としても「オーガニックファッション」「オーガニックコットン」が最も頻度が高い。これは驚くべきことでもなんでもない。メジャーな小売企業は定期的にオーガニックコットンを買い付け、その使用を宣伝している。コットンの世界総生産高を見ても、わずか1%にしかその占有率は満たないし、ブランドのレパートリーのごく一部にしか使用されていないにもかかわらずだ。キャンペーンや年間レポート、プレスリリースの主役を張る単語がこれらなのだ。「オーガニックウール」「リサイクルポリエステル」というほかのエコ繊維があるが、まだまだニッチと言わざるを得ない。一般消費者の意識が何に左右されるかは明らかだし、それを踏まえて誰が何をすべきかーーまだまだやるべきことは山積している。

This Article is Originally from...

January 31, 2013 'Fashion terminology: why should we bother?' TexSture ,

>> http://texsture.com/fashion-terminology-why-should-we-bother/

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