慌ただしい朝。心地良いひと時があれば、一日が充実したものになりそう。短い時間でも、自分に向き合う静かな時間を持てれば、それは「豊かな生活」といえるのかも。
最近デパートのコスメフロアで見かける「SHAQUDA(シャクダ)」は、洗練されたデザインが印象的なメイクブラシのブランド。その第一弾とした発表された「UBU(ウヴ)」シリーズはエシカルなメイクブラシ。その柔らかな毛と有機的な木の温かさは、メイクする時間がますます心地良い!
メイクにエシカルな要素をプラスする「SHAQUDA」のブランド統括・丸山紗和子さんに、その誕生秘話を伺いました。
「SHAQUDA」があるのは、広島県の熊野町。180年余り続く、「筆の都」との呼び名高い場所です。以前、なでしこジャパンが国民栄誉賞の記念品に、この地の化粧筆を贈られたことで、知っている人も多いのでは。
「SHAQUDA」を展開する有限会社・瑞穂は、創業50年と、歴史の長い熊野では比較的若い会社。伝統を守る手仕事で、選毛・整毛・加工・組立・検品・販売まで一貫生産されています。「筆を通じ、世界の人たちの心と生活に潤いと彩りを与えたい」という思いで、ものづくりをしてきました。「どういう筆か」よりも「なんのための筆か」を理解して作ることを大切にしているそう。
ただのツールとしてのブラッシュではなく、「生活の中で心を潤すような『けしきを みたす』ブラッシュ」をコンセプトに生まれた「SHAQUDA」。
「SHAQUDA」の「UBU」シリーズは、エシカルな要素を意識して、オリジナルな価値づくりを追求しました。例えば、化粧筆は、金具を使えば作りやすいのですが、あえて金具を使わないなど。木の温もりや洗練された美しさ、機能を追及して完成しました。
全17種類のブラシは、用途に応じてさまざまな形状になっています。例えば、同じファンデーション用でも、リキッド用、クリーム用、ミネラル用と、素材や用途によって肌へのテクスチャ―とアプローチが変わるため、微妙に形と使う毛質も変えるのだそう。
それでありながら、ファンデーション用ブラシはチークやシェイディングに。アイシャドウ用の細いタイプは、ハイライトやコンシーラーに……と、1本でほかの用途に使える機能性も備えています。
ファンデーション用のブラシは、マットにも仕上げられるような仕様にしています。メイクやファッションは年代によって変化するので、その点も想定しています。
穂先の毛の部分は、ヤギの胸毛、灰リス毛を中心に使用し、90%が天然毛。厳選される毛質は肌あたりが良く、肌にツヤが出るのも嬉しいところ。
持ち手のウォルナットの仕上げにはクルミオイルを使っています。化学的な成分をなるべく使わず、人にも環境にも配慮しています。使えば使うほど手になじんでいき、家具や大事なアクセサリーと同じように、お手入れしながら使うブラシです。
さらにこだわったのは、全てのブラシの全長を18cmに揃えたところ。18cmは、ほぼ中指から親指までの長さ。並べると美しく見えて、使い勝手もちょうど良い……という長さに揃えました。
メイクする所作から収納したときまで美しく見えるような、メイクの全ての過程での美しさにこだわりました。化粧筆に、天然の木目を生かすことは珍しいのですが、天然木の見た目はインテリアに馴染む大切な要素です。
穂先の部分や軸の部分の仕上げの工程で違ってくるものの、1本完成するのにかかる時間は、おおよそ3カ月ほど。天然の素材を使うので、一定の安定したクオリティに仕上げるため、丹念な手づくりにこだわっています。
天然毛のメイクブラシは、使うたびに毛質や形状が使う方の肌に馴染んできます。その方の使用頻度にもよりますが、替えどきは肌あたりが変わってくる約5年くらい。自分の肌感覚と日々向き合いながら、季節とともに肌と手に馴染む「SHAQUDA・UBU」の経年変化を愉しんでいただけたらうれしいですね。
肌の調子や顔色、自分の所作を見ながら、肌を通じて自分と対話する。メイクの時間が、大切なひと時に変わりそうです。
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