うっかり置き忘れたり盗難にあったり、失くしてしまうことが多い傘。お気に入りのものを失くしたときのショックが大きくて、長らく傘には執着しないように決めていました。
でも、そんなネガティブな気持ちで楽しめないのはもったいない! 「自分が欲しいものを選ぶ!」という強い気持ちで臨むことにしました。そう思っていると、すぐにオールシーズン対応の個性的でファッショナブルな傘の情報が。
それは「LaLa Senorita(ララセニョリータ)」。傘は末広がりで縁起も良いと言われていて、新年に揃えるアイテムとしてもぴったり。デザイナーを務めるのは、有限会社カオスの
角さんは、1996年に「Kaos(カオス)」というブランドを、パリの合同展示会でスタート。ヴィンテージの着物の、古い生地の不思議な空気と色気を生かし、リメイクバッグやアクセサリーを作っています。その後、2002年に立ち上げたのが「LaLa Senorita」。
ヴィンテージの着物を使い、日本の風情を漂わせる「Kaos」に対し、「LaLa Senorita」はラテンの雰囲気で、真逆のイメージを打ち出した角さん。それは、楽しい気持ちになってほしい……という思いから。
「LaLa Senorita」は、国内のマーケット向けに、かごバッグやアクセサリーから始めました。当時は、一軒のセレクトショップで全身のコーディネートを揃える傾向があり、そんなショップに置いていただいていました。
「LaLa Senorita」に傘が登場したのは5年ほど前。華やかなプリントや刺繍をほどこしたテキスタイルに、フリルや凝った持ち手などのデザインが特徴です。
傘を作っているのは大手メーカーがメインで、ほとんど大量生産で作られた均一なものですよね。小さなメーカーは少なかったので、特化することでおもしろいモノができそうだと感じました。パラソルは春夏のコレクションですが、オールシーズン使えるように、UV加工と防水加工を施しています。
単価がまったく変わるので、傘の骨や金具、中棒などのパーツには中国製を取り入れているものもありますが、生産は主に日本国内。手縫いで仕上げられるなど、ほとんど日本の熟練の職人さんの手仕事によるものです。おおよそ3カ月ほどの期間で完成するそう。
明るい気分が満載のサボテンに、少しシックな白鳥の持ち手……いままで見たことがない、一つひとつ味わい深い木彫の持ち手は、角さんが親しくしていた職人さんが彫っているそう。
私の趣味は渓流釣り。大物の魚が釣れたときは、はく製にしてもらっているのですが、その方がたまたま木彫の先生でもあり、持ち手を彫っていただくことを思いつきました。
持つとスッと手に馴染み、心地良さまで感じます。逆さにして使うものなので、完成までは何度も修正を重ねるそう。サボテンや白鳥など、木彫の素材には全てクスノキを使用。クスノキは香木なので、ほんのり良い香りがします。
ボタンなどのパーツには、アフリカやインドネシアのものが使われているものもあり、意外なマッチングがポイントになったエスニックなテイストも素敵です。
実は、夫がインドネシアの小さな島に移住しました。それもあって、インドネシアのバティックや古典的な柄などもパーツとして取り入れています。今後は現地でも、ものづくりをしてみたいと思い、編み工房などを訪れるようにしています。
「LaLa Senorita」の傘は、「嬉しくてウキウキする気持ち」を大事にする人に、ぜひ持ってほしいと角さんは言います。
通勤などの日常用ではなく、持つことで解放された気持ちになってほしいという思いがあります。なので、機能性は追求せず、あくまでもファッションアイテムとしてのパラソルですね。
とは言いながら、防水加工やUV加工は、10年程度は大丈夫。日傘としてだけ使うのであれば、色落ちもせず、長く使えます。目いっぱいオシャレして出かけたくなる、とっておきの傘。
ファッションの楽しさや喜びは、人生をハッピーにしてくれるもの。
日本の伝統の下駄や扇子、絞りの着物まで海外で量産されるようになり、日本製がますます希少になっていくいま。
日本ならではのクオリティとデザインのオリジナリティを追及した「LaLa Senorita」傘と出合い、あらためて今年も、自分らしくファッションを楽しむ気持ちになりました。
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