秋冬アイテムが店頭に並びだす頃。目には見えなくても、一日中着た洋服には、埃や花粉、汚れなどが付着しています。そこで、洋服ブラシでのセルフケア! お気入りのニットやスーツを長く着続けることができます。
大切な洋服をケアするアイテムだからこそ、こだわって選びたい。
「ショージワークス」の洋服ブラシは、ウォールナットで作られたカジュアルな雰囲気で、部屋にさりげなく置いておくのもかわいい!
「ショージワークス」の専務・
もともと洋服ブラシは、開国以来、和装から洋装へと変わる流れに乗って輸入されたプロダクトの一つ。
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ウォールナット 洋服ブラシ(左)ウール用、(右)カシミヤ・シルク用〈ともに¥3,300+税〉
明治時代に交付された断髪令(※散髪脱刀令)で、男女とも髪を下げるようになって、ヘアブラシと一緒に洋服ブラシも輸入されたようです。
ヨーロッパの文化を倣うべく、ブラシをばらし、それをもとに木を削り、糸鋸でカットして……と、同じようなものを自分たちで作ってみたと聞いています。外国の文化を取り入れ、自分流に加工するのは、日本人の得意な分野ですね。
そう話すのは、「ショージワークス」の専務・
ブラシは、大阪の地場産業。歯ブラシにいたっては全国一の出荷額を誇ります。歯ブラシに始まったブラシづくりは、ヘアブラシ、洋服ブラシへと発展。大阪は「日本の洋服ブラシ発祥の地」ともいわれています。
そんな大阪に拠点を構える「ショージワークス」は、大正14年創業の老舗。ヘアブラシや洋服ブラシの生産を加工から製造、完成まで、全て自社工場で行っています。
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(提供:ショージワークス)
アメリカやカナダから輸入された木材を、最先端技術で3次元加工。続く研磨からは、職人の技が発揮されます。
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(提供:ショージワークス)
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(提供:ショージワークス)
一番の苦労は、角の丸みを出すことだそう。実際に手に持ったときの感触が、自然に感じられるようにしています。
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手に自然にフィットするよう工夫された持ち手。
最後に、木の良さを引き出しながら、木の水を吸い上げる導管を埋める「目詰め作業」という塗りの工程を経て、10年持つブラシが完成!
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ウォールナット 洋服ブラシ カシミヤ・シルク用 〈¥3,300+税〉
洋服ブラシは、服の素材に合わせ、毛質が硬めのウール用と柔らかめのカシミヤ・シルク用の2種類があります。
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「カシミヤ・シルク用」でブラッシング。
服のケアについて尋ねてみると、ほとんどヘアケアと同じ。
こげ茶の部分は、柔らかい馬毛で弾力があります。白い毛の部分は硬めの豚毛で、だいたいの洋服に対応できるように、それぞれを組み合わせています。
ブラッシングは、埃や汚れを落とすだけでなく、毛玉の発生を予防することも目的です。毛玉ができやすいのはこすれる部分。バッグを持つ側など、ブラッシングで繊維の流れをまっすぐにすることで予防できます。毛玉がたくさんできている服はかわいそうになりますよね。
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「ウール用」でブラッシング。
また、すでにできてしまった毛玉は、ハサミなどでカットしておくことが基本。
さらに、使わないときも楽しさがあるものを目指しました。
部屋の中で目に入っても違和感がない落ち着いた色味にデザインと、「ちょうど良い感じ」になるように作りました。それに、軽いけれど強度もあって割れたりしません。機能的にも優れています。
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パッケージは、アンティークのニュアンスがある箱型。2月のファッション系の展示会に出展した際に一新した箱で、おもに畦地さんがデザインしたものだそう。(提供:ショージワークス)
服や靴など、身辺をきれいに整えるような手間をかける生活は、無心になれる時間も生まれて、心もスッキリしそうです。
「ブラシっていいな」と、思ってほしいですね。愛着を持ってブラシでお手入れすることが日本のカルチャーとして定着してほしいです。洋服に対する愛情が増すと、着る人をいっそう輝かせてくれると思います。それに、日常の生活の中で、一手間かけることは、やっぱり大切なことだと感じますしね。
そう話す畦地さん。
自分のお気に入りのものを大切にしていると、それが自分の個性になり、生き方になっていくのかもしれません。
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