年に4回ほど行われる我が部屋の大掃除。掃除をするたびに出てくるのが「使わないモノ」たち。
いまの悩みは、長いこと居座っている「勉強机」。彼のあだ名は「ダイスケ」。
いま使うには確実に小さいので背中や首を痛めるし、けれどいざ捨てるとなると、「中学受験のとき、ただ一人寄り添ってくれたのは君一人だった……」という変な情も湧いてきて、なかなか捨てるまでには至らない……。
結局使われないまま、部屋に十数年間ヒモとして居座り続けている現状です。
そんな中、驚きのニュースが。
最近スウェーデンにオシャレな「リサイクルモール」ができたそう。リサイクル品を回収して売るだけではなく、リデザインやリメイクして再び命を吹き込む設備もあるのだとか。
ここなら、ダイスケを蘇らせてくれることもできるのでは……?
そんな希望を胸に、今回はリサイクルモール設立者の一人、Anna Bergströmさんにお話を伺いました。
―― テナントはリサイクル/アップサイクル商品を扱うお店のみということですが、実際にモールではどういった製品を取り扱っているのですか?
「ReTuna」では9つのお店、3つのポップアップショップ、そして「Returama」というレストラン1軒がテナントとして入居しており、自転車、家具、洋服、台所用品、家庭用品、ペット用品、お花から建材まで、日用品はなんでも揃っています。
例えば「ReBuyke」は、自転車やスポーツ用品の販売・修理を行っていますし、「AMA Outlet」は、建築材料を販売しています。「re:Compute-IT」は、コンピューター・機械の販売・修理、「Rebox」はスーツケースの専門店です。どの商品も、それぞれの魅力があります。
ほかに会議室もありますし、まだ修復可能な商品や、改造するために取っておいた商品を置いておくための倉庫を外に設けています。最近では、新しくリサイクル工場も設けました。
―― リサイクルをコンセプトにしたモールは世界初とのことですが、モールが誕生するまでにはどんな道のりがあったのでしょう?
「ReTuna」はもともと、スウェーデンの都市・Eskilistuna(エスキルスチュナ)の行政委員会のアイディアから始まりました。自治体として調査した結果、同市には新しいリサイクル工場が必要であることを発表したのです。
ムダな消費を減らし、循環型経済についての認知を深め、また新しい雇用を創出するために、リサイクルモールとリサイクル工場の設置が決定されました。
なのでモールは市が保有している会社です。このリサイクルセンターは、税金を財源として運営されており、そういった面から見れば、スウェーデンに住む全ての人々が経営者と言えるでしょう。
―― モールができるまでに、一番苦労した点はなんでしたか?
短い時間で「ふさわしい」テナントを見つけることでしたね。
―― 一日の平均の来客数はどれくらいですか? また、一カ月の売上はどのくらいですか?
一日の平均来客数は600〜700人。2016年の売上は81万クローナ(SEK)でした。この年は、50〜60人を新しく雇用することができました。
―― モールは盛況のようですが、人気の秘密はなんだと考えていますか?
モールでは、リサイクルや中古品を磨きあげることで、新しい別の魅力を生み出しています。それが多くの人々を魅了しているのではないでしょうか。リサイクル品や中古品だって、新しく生まれ変わって新たな製品として輝けるのです。
―― なかなか難しい挑戦のように感じますが、スウェーデンではリサイクルモールを経営しやすいなにか特別な要因があったのでしょうか?
いいえ。世界中どこでもリサイクルモールの運営はできると考えています。もちろん日本でも可能です! 一番大切なことは、運営者が100%運営可能であると信じることです。
―― テナントとして、求めている製品やブランドはありますか?
もっとオーガニックな商品、パッケージを使用しない食品ストアや、ヘアサロン、時計や靴などのショップ/ブランドを探しています。また、リサイクルビジネスに興味がある企業を、1年に2回招待しています。1ショップ当たり、約200平方メートルの空間を提供しています。
―― 最後に日本に住む読者の方にコメントをお願いいたします!
私たちは地球に存在する資源を守るために自分たちの消費に意識を向けて、もっと慎重に行動を選択しなければなりません。
(インタビューここまで)
私が思う「ゴミ」のうち、いったい何%が実際にゴミなのでしょうか?
もしかしたらあなたの「ゴミ」が私の日用品かもしれませんし、私の「ゴミ」があなたの日用品かもしれない。
ちょうど、私にとっての「ヒモ」ダイスケが、小学生にとっての「必需品」デスクであるように……!
コメントを投稿するにはログインしてください。