お祝儀袋をもらった後、みなさんはどうしますか? 色とりどりの美しい包みに、贈ってくれた人の気持ちを感じるもの。しかし、使いみちがなくて捨ててしまう……という方も少なくないのでは?
贈る側・もらう側も「もったいない」気持ちが拭えない……。そう思っていたとき、見つけたのが「IIE(イー)」の『会津木綿のご祝儀袋』。
お祝儀袋をもらった人が、その後ハンカチとして使い続けられる……というなんとも嬉しいお祝儀袋ですが、福島県の伝統工芸品の一つ、会津木綿で作られています。
もらった後に、ハンカチとして使えるご祝儀袋
『思いのこめられたものなのに、使い終わったら捨ててしまうのはもったいない』
プロダクトブランド「IIE」の代表である谷津拓郎さんの友⼈が、結婚式で感じたという思い。
そんな友人の思いをヒントに生まれたのが、2014年11月に登場した『会津木綿のお祝儀袋』でした。
素材はその名のとおり、福島県会津地方の伝統工芸品の一つ、「会津木綿」。生地でできたお祝儀袋は、お祝いの包みとしてその役目を終えた後、ハンカチとして使い続けられるようデザインされています。
およそ400年続く会津木綿は、丈夫で厚く、普段着として広く人々の生活に根づいていたもの。吸水性と通気性を兼ね備え、ハンカチ使いにピッタリな素材だとか。
30年の時を超えて ――青木木綿の再現
実は、「白一色」だけでなく、さまざまな
「IIE」が事務所を構える
谷津拓郎さんはその会津坂下町の出身。震災を機に、故郷の伝統の品を使いながら、仮設住宅に住む人々といっしょに、手仕事の長く愛される品を作り続けたいという思いで事業を開始。
主にストールや雑貨を中心とした商品を展開をしながら、2017年で事業開始5年目を迎えます。
より良い製品づくりを目指し、自分たちで織機を使って生産していこう ――そんな思いで情報を集めている中、およそ30年前に廃業したという工場の存在を知った谷津さんたち。
実際に訪ねてみると、雪の重みで崩れかけた工場の中、大正時代に作られた豊田式の自動織機が十数台眠っていたのでした。
「一目見て、なんとかしたいと思った」と、振り返る谷津さん。工場の持ち主を
それでも長年放置されていた織機は、修理が必要な状態。
それを自分たちで、一台ずつ運びながら移設するところから始めました。しかし、修理するにも方法が分からないうえ、必要な部品もすでに生産停止。県外の織元を訪ねたりなどしながら、自分たちで修理しました。使い方も、青木木綿を以前織っていたという80代の女性を探し出して教わりました。
そうして再現された、青木木綿の会津木綿。2016年には、優しい青色の縞模様が入ったお祝儀袋が、数量限定で登場したのでした。
「自分たちの手で作りたい」「きっと作れるはずだ」と、信じてやってきましたけど、実際に初めてできあがった商品が店頭に並んだときはとても感動しました。
地域に眠っていた織機は、日本が機械による大量生産時代に突入した初期の頃のもの。その織りの早すぎないスピード感が、逆にいまの時代にちょうど良いと感じます。
生産量が限られた伝統産業の中で、事業を長く継続していくには、実際に自分たちの手で作れるようになっていくのがいちばん。そのうえで、多すぎず少なすぎず。大量生産でも少量生産でもない、「中量生産」ですが、しっかり継続していくことで会津木綿をより多くの方に使って頂きたいです。
残念ながら、同商品は今後生産は不定期とのこと。再度の登場が待ち遠しい!
途切れそうだった伝統の素材を、未来につなげていく「IIE」。
次の結婚式では「IIE」のご祝儀袋で「いつまでも続く」祝福を贈ってみてはいかがでしょう?
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