通販企業の株式会社フェリシモ内のプロジェクト「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT(以下、PBP)」による、刺繍を通じてインドの女性たちの自立を支援するプロジェクト「Stitch by Stitch」。
このプロジェクトが始まったのは2015年12月。それからわずか2年。めきめきと腕を上げたインドの女性たちが施す色鮮やかな刺繍アイテムの新作が販売開始となった。
「Stitch by Stitch」は、オーガニックコットンを栽培して広めるプロジェクト・PBPで支援しているインドの綿農家の女性たちが、刺繍の技術を身につけ、彼女たち自身で新たな未来を作っていけることを目指して、2015年にスタート。
刺繍アーティスト・二宮佐和子が、インド・オリッサ州にあるレベット村を訪問し、女性たちに刺繍を指導した。
もともと、「女性たちの技術が上達したら、支援としてではなく仕事として、アパレル製品に施す刺繍作業を依頼できれば」というビジョンがあったものの、女性たちは急激に成長。プロジェクトスタートからわずか1年で、仕事として刺繍を請け負うことができるまでに腕を上げた。
その第一弾として2016年6月にフェリシモが販売した製品9型は、完売となる人気ぶり。この5月、さらなる成長を遂げた女性たちによる刺繍アイテムの新作が販売開始となった。
今回刺繍を施したのは、フェリシモのブランド「haco!(ハコ)」のアイテム10型。
2015年12月にインドを訪問した後、二宮は手紙やメールを通じた通信教育を実施。針や糸の運び方について、一人ずつ継続して指導した。
今回女性たちが施したのは、蝶とクジャクの2種類のモチーフ。
「カラフルな刺繍糸の組み合わせ方、顔の表情の描き方、ステッチの仕方など、一人ひとりの作品から個性が溢れていて、こちらが楽しくなる」と、二宮。
普段だったらNGにする縫い目にも個性を感じるから、どこまでをOKにして、どこからをNGにするか、正直悩んじゃうほどですよ。「これも味わいだよね」って。それを生かしたいから、基準は今後も考えていきたいですね。
(二宮)
その感性を生かし、今回登場するアイテムも糸の色選びなどは女性たちに任せた。結果、一つずつ異なるモチーフに仕上がっており、世界で1点だけのアイテムになっている。
しかしながら、実際の納品時には、製品として販売できないクオリティのものも一部含まれており、販売をとりやめた商品もある、という課題も。
「今後も取り組みを継続させ、いずれは他社の仕事もできるように技術、チーム力ともに成長していきたい」と、PBP担当の徳重正恵は話す。
今回登場したアイテムは、「haco!」オンラインストアで販売中。各商品いずれにも300円の寄付が含まれており、PBPがインドで実施するオーガニックコットンプロジェクトの支援に使用される。
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