高たんぱく低カロリーで、鉄分豊富。脂質やコレステロールが少なく、健康食として注目されるシカ肉。家でも食べてみたいけど、調理のしかたが分からない……という方も多いのでは?
そこで、便利で本格的なシカ(ニホンジカ)の加工肉が新登場。パッケージから出してそのまま食べられるシカ肉のハム&生ハム、ミートローフ、ソーセージがラインナップです。
手掛けたのは、食品会社ではなくファッションブランド。なぜ、ファッションブランドがシカ肉を販売するのか? 販売する「boga boga Loopline(ボガボガ ループライン)」(株式会社メリケンヘッドクォーターズ)に尋ねました。
近年、「ジビエ」として注目を集めるシカ肉。食べてみたいけど、お店でしか食べられない……と思っていませんか?
気軽に食べられ、味を体感できる「シカ肉入門」として生まれたのが、「boga boga Loopline」の加工肉シリーズ。ジビエと聞くと、海外のシカ肉やエゾシカ肉のイメージがありますが、「boga boga Loopline」では、国内のニホンジカの肉を使っています。
食べてみたくても、いきなりシカ肉のブロックを買ってくるのはハードルが高いですよね。そこで取り入れやすい加工肉で気軽に試せるようにしました。まずはそのままの味で食べていただいて、そこからお好みで、どう調理しようかを考えていろいろ使ってもらうのが良いと思います。
そう話すのは、「boga boga Loopline」の広報担当・平野友之さん。
そのまま食べられる
とにかくクセがないのが特徴で、味がしっかりしているのにさっぱり! 赤身で鉄分が多いため、ハラミ寄りの味わいです。
ハムは、スライスしてサラミ感覚で食べたり、パンに挟んでサンドイッチにしたり。豚のハムとなんら変わらずに使ってOK。
ミートローフもサラダに混ぜたりして食べるのが、ファーストステップにオススメ。
サラダに合わせるなら、柚子胡椒やルッコラなどの個性の強い野菜が相性バツグン。味わいがしっかりしているので意外にも感じますが、互いを引き立て合っておいしい!
火をとおして食べる
さっと火をとおして温めると、肉の香りが立ち、コクがしっかりと味わえます。
ウィンナーを、パスタの具材にいっしょに混ぜてみるのも◎
お酒も、赤・白ワイン、焼酎、日本酒と、そのままでなんにでも合いますが、少し火をとおすことで、肉の旨味が際立ち、ビールにばっちり合います。
冷凍肉でシカ肉中級編にトライ!
味の感覚を掴んだら、冷凍肉へステップアップも可能。ロース、もも、ミンチをすでに販売中です。
筋引きなど、全て下処理が済んでいるため、このまま即調理OK。プロのシェフからも「使いやすい」という声が相次いでいるそう。
ベーシックな「シカ肉のロースト」なら、冷蔵庫で1日自然解凍後、オリーブオイル、塩、コショウ、お好みでハーブ等をまぶし、250℃のオーブンで9分間(片面4〜5分ずつ)焼くだけ(※目安量は厚さ3cmの200g)。
コツは、火を入れすぎないこと。シカ肉は熱しすぎると硬くなってしまうそう*1。
なぜファッションブランドがシカ肉?
「boga boga Loopline」は、株式会社メリケンヘッドクォーターズ(以下、メリケンヘッドクォーターズ)が2007年にリリースしたオリジナルブランド。同社の洋服店は、神戸に3店舗、東京に1店舗あります。
全てMade in Japanにこだわったものづくりを続け、デニムやTシャツ、シャツに特に強みを持つ同ブランドですが、アパレル商品や雑貨にも「シカ」が使われています。
シカ革を使ったバッグやシューズなどのレザーアイテムはもちろん。シャツにはシカの革を加工したボタンを。さらには、使用済みの
アウトドア、特に釣りが好きなメンバーが集まっていた同社。メンバーは、ハンティングにももともと興味があったといいます。
そんな中、あるハンターとの出会いを経て、ニホンジカにまつわる社会問題を知り、自然と兵庫県内のニホンジカとの関わりが生まれたのが、シカを扱うことになったきっかけでした。
兵庫のニホンジカ
実は、同ブランドの生まれた兵庫県では、昭和50年からニホンジカが急増。現在、最大およそ72,000頭が生息しているといわれています。
この増えすぎたニホンジカにより、農作物の食害、それに伴う森林衰退問題などが深刻化。農作物への被害総額は3億円を超え、全被害額の38%を占めるほど*1。被害額は、全国トップクラスに上ります。
この解決策として、被害が許容可能なレベルにまで個体数を低減させるための捕獲や狩猟が政策として実施されています。
しかし、頭数調整されたシカは、ほとんどが廃棄されているのが現状。
そこで、シカを貴重な自然資源として有効活用すべく、「boga boga Loopline」の服や服飾雑貨に活かす取り組みをスタートしました。
まるごと1頭使い切るさまざまな取り組み
ただし、スゴイのはここから。
命をまるごと活かすなら、まるごと1頭使い切る ――メリケンヘッドクォーターズは、地域の猟師さんや猟友会、タンナーのみなさんと協力しながら、多岐にわたる取り組みを次々と実施しています。
自社で経営するドイツ家庭料理専門店「G.G.C.」でシカ肉を使った一品料理を提供するほか、2013年にはシカ肉をメインとしたオリエンタルフードレストラン「
さらにはシカ肉のレトルト・タンシチューに、ハツのしぐれ煮という保存食も開発。
徹底してシカを使い切りながら、シカの魅力と、シカを活用するためのアイディアを伝えています。
猟師さんや、猟友会のみなさんが長年培ってきた技術や知識。それがあってこそ生まれたものばかり。
と、平野さん。
シカを知り尽くした地域の人々と協力しているからこそできる、おいしくて食べやすいシカ肉の加工肉シリーズ。ぜひメニューに加えてみては?
「boga boga Loopline」の直営店・取扱店のほか、「鹿鳴茶流 入舩」「G.G.C」などの系列レストランで購入可能です。
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