「突然街中に出現する本屋・劃桜堂」の大野がお届けする、すこぶるいいかげんな本の紹介。
いつの間にか、日常に「本」が忍び込んでくる……。
本はなんともかさばるものである。
本棚の本は自発的に増殖するし、床に積んでいる本はなんの前触れもなく突然崩れ落ちる。
ちなみに劃桜堂の家にあった本棚は、本を入れすぎて横に倒壊した。地震かな? と思って検索したが震度0だった。本とは恐ろしいものである。
そんな私は、本を収納する画期的なアイディアを思いついてしまった。
そう、鳥の巣だ。
鳥の巣ならどの家の軒先にもある。
まさに、本棚界のiCloudである。
鳥たちも本が読めて一石二鳥である。
そういうわけで、鳥の巣に入ってそうな本を紹介する。
バイバイ、ブラックバード
伊坂 幸太郎(著)、双葉社、2013年3月
誰しも「気づいたらこうなっていた」という記憶はないだろうか。
私は大学で物理学を専攻していた。
しかし、気づいたら本屋さんになっていた。
人生とはなにが起こるか分からない。
本書のストーリーは、主人公・星野がお人好しにつけ込まれ、借金が返せなくなるというところから始まる。
そこで、〈あのバス〉に連れて行かれる前に、交際していた女性に別れを告げに行く……という話である。
彼は気づけば、5人の女性と交際していた。5股である。
5股男性を不思議と憎めなくなること間違いなしの本である。
大泉エッセイ 僕が綴った16年
大泉 洋(著)、KADOKAWA/メディアファクトリー、2015年4月
みなさんは『水曜どうでしょう(北海道テレビ放送)』を観たことがあるだろうか。
ないなら本を読んでいる場合ではない。すぐにDVDをレンタルしに行こう。
中国の偉大な思想家(1233〜1298)は、こう言っていた。
「読書の前にまず『水曜どうでしょう』」と。
『水曜どうでしょう』は、世界各国を横断したり縦断したりするテレビ番組である。
美しい風景や情緒ある街並みを紹介してくれると思ったら大間違いだ。
〈大泉洋と愉快な仲間たち〉のテキトーな姿と掛け合いが映し出されるばかりで、景色などは見れない。
ではなぜ、今回大泉洋をチョイスしたのか。
彼の髪型が鳥の巣にしか見えないからである。
人類は絶滅を逃れられるのか―――知の最前線が解き明かす「明日の世界」
スティーブン・ピンカー、マルコム・グラッドウェル、マット・リドレー(著)、藤原 朝子(翻訳)、ダイヤモンド社、2016年11月
つぶらな瞳をした小鳥さんたちは、「人類はいつか絶滅するだろう」と思っている。
私もつぶらな瞳をしているから分かる。
本書は、世界的に影響力を持つ知識人4人が、賛成・反対の立場に分かれてディベートをする構成となっている。
テーマは「人類の未来は明るいか」。
しかし専門分野の違う4人が討論しても、議論で噛み合わないところが出てくる。
そこの部分にこそ、私たちが立ち向かわなければならない問題が隠されているのではないだろうかと筆者は述べている。
討論の結果は、〈物事をポジティブに捉えるのかネガティヴに捉えるのかという違いによって、未来の認識が変わる〉というものだった。
以前、劃桜堂のTwitterで、「好きな本屋さん、選ばれたのは?」
①劃桜堂
②綾○鷹
というアンケートを取ってみた。
選ばれたのは綾○鷹だった。
劃桜堂は、お茶よりも選ばれない本屋さんと解釈するか、綾○鷹は本屋さんなのだと解釈するか……それはあなたしだいである。
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