【連載】BIO is LUCKY!

【視察レポート】第1回 ドイツ・オーストリアのBIO HOTEL®とサスティナブルカルチャー 〜街中の身近なエコとその進化編

A Picture of $name 中石 真由子 2016. 10. 1

BIOを知り、日常の中に少し取り入れてみると、身の回りのケミカルで工業的なものも、違った角度から見えて、あらためて理解できたりします。

自分自身の中に新しいモノの見方、価値観が生まれる感覚は心地良い! だから、BIOは、ラッキーなこと!

「BIO is LUCKY!」では、BIOでラッキーな情報をご紹介していきます。

2016年6月末から8日間、ドイツ・オーストリアへ視察の旅に行ってきました。

知人友人メンバーと総勢8名。コーディネーターはドイツ在住の松田眞理さんに依頼して、充実の内容となりました。

BIO HOTELとサスティナブルカルチャー先進国の「いま」を、5回にわたってレポートします。

進む環境配慮型のラッピング

隣には同じ系列のワインの専門店のほか、同じく系列のBIOベーカリーも、すぐ近くにありました。

BIOのベーカリー・HOFPFISTEREI。(Photography: Mayuko Nakaishi)

BIOのベーカリー・HOFPFISTEREI。(Photography: Mayuko Nakaishi)

スーパーでのお買い物を楽しんでいたら、残念ながら、すでにクローズの時間帯。

そこで次の日にリベンジして、プレッツェルを購入。

プレッツェルを包む袋はなんと、FSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)認証の紙。

(Photography: Mayuko Nakaishi)

ケシの実たっぷりで、0.75ユーロ。(Photography: Mayuko Nakaishi)

木材を生産する世界の森林と、その森林から切り出された木材の流通や加工のプロセスを認証するFSC®。

このように認証された紙製品は、日本ではほとんどと言っていいほど普及していません。

細部に至るまで環境を意識し、それを徹底する ――本来のあり方を、当たり前のように、自然にかたちにしている様子は、「さすが、ドイツ」の一言です。

レジ袋についても、体系的に削減を進めています。

ドイツ商業連盟(HDE)では、2016年4月1日からビニール製レジ袋の有料化を促進。

これまで年間消費されているビニール製の買い物袋の数は、1人当たり約71枚。
それを今後、40枚まで減らすことを目標としています。

ドイツ大手スーパーマーケット・REWE(レーヴェ)では、2016年6月からプラスチック製のレジ袋廃止を実施。

代わりに、天然素材で長期的に使えるエコバッグや、再生紙を使った紙袋など、再生可能な素材での買い物袋を用意しています。
さらに、それらを有料にすることによって約1億4000万枚減らす計画とのこと。

REWEのエコバッグに関するリーフレット。(Photography: Mayuko Nakaishi)

REWEのエコバッグに関するリーフレット。レジ袋は、(大サイズ)0.20ユーロ、(小サイズ)0.10ユーロ。こんなおしゃれな天然素材、紙製品のバッグであれば、有料であっても購入したくなります!(Photography: Mayuko Nakaishi)

REWEのリーフレットによれば、ペーパーバッグは、FSC認証紙を使用。

紙のボックスもFSC認証紙が使用され、1.00ユーロ。
そのまま車のトランクに詰め込みができる仕様です。

松田さんによると、ぼろぼろクシャクシャのビニール製の袋を大事に何度も繰り返し使っている人も当たり前の光景だそう。

もともとマイ・エコバックが定着していたので、市民もこの有料化に抵抗はなく、「環境配慮に直結している」と、反応も良いとのことです。

2年前と比べて「エコ」はどう進化した?

一昨年もお邪魔したスーパーマーケット・Naturkost Möller(ナチュールコスト・メラー)。

フュッセンの市街地から少し離れたところにあります。

Naturkost Möllerの外観。「Nature」=“ナチュラルな、自然の”+「Kost」=“食品” がお店の名前。(Photography: Mayuko Nakaishi)

Naturkost Möllerの外観。「Nature」=“ナチュラルな、自然の”+「Kost」=“食品” がお店の名前。(Photography: Mayuko Nakaishi)

1994年開業のNaturkost Möller。最初は小さなスペースだったそう。

現在は、25坪ほどに拡張し、スタッフは、12人。

NATURKOSTの店内。(Photography: Mayuko Nakaishi)

NATURKOSTの店内。(Photography: Mayuko Nakaishi)

一昨年、お話を伺ったときには、客層はお子さんのいらっしゃるお母さんと、話し相手を必要とするご近所のお年寄りが中心とお聞きしていました。

それがなんと、ここ2年の間に、客層は20代〜80代と幅広く変化。
一日の来店者数もアップし、約300人に。
半径20kmの範囲から、お客さんがやってくるとのこと。

そういえば、大きなリュックサック2つぶんにたくさんの買い物をしている若い男性もいました。

客層が変わった理由としては、毎日必要とする牛乳や乳製品を充実させたこと。
そして、最近のトレンドであるグルテンフリー商品を充実させたことが可能性として挙げられるそうです。

自然発生的なコミュニティと生活必需としてのBIOが、心地良く融合しているかたちを見たような気がします。

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