パレスチナ女性の民族衣装は、襟から胸、袖、裾に施された豪華な手刺繍が特徴。古くは手織りの麻やコットンの生地に、色糸で簡単な刺繍を施していたという。19世紀以降、外国文化の影響を受けてからは模様・色・素材と、非常に手の込んだものになっていった。
伝統的な模様は、花、木、星や月など、生活の身近にあるものをデザイン。同じモチーフであっても、町や村によって少しずつ形が異なっており、刺繍を見ればその人の出身地が分かるともいわれる。
地域に根ざしながら発達したパレスチナの刺繍。しかし1948年に第一次中東戦争が勃発すると、多くのパレスチナ人が祖国を捨てざるを得なくなり、近隣諸国に避難した。
そうした状況にあって、パレスチナの人々にとって、刺繍はいまでもアイデンティティの象徴。今回は、そんなパレスチナ刺繍を気軽に取り入れられるブランドを4つご紹介。
All Things Mochi
国ごとにコレクションをまとめ、世界各国の伝統的な刺繍技術をとにかくたっぷりと取り入れる「All Things Mochi」。ドバイ在住のデザイナー・Ayah Tabariが、各地の美しい刺繍ワークをトレンドルックに合う、コレクションにまとめあげています。パレスチナ・コレクションはもはやアート。
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Darzah
第一次中東戦争でイスラエルから避難したパレスチナ難民あるいはその直接の子孫が住民の多数を占めるヨルダン川西岸地区。ここで刺繍を用いたアイテムで女性の雇用を作っているのが「Darzah」だ。
落ち着いたデザイン&シックな色味のアクセサリーや、トートバッグ、クッションカバーなどが中心。気軽にパレスチナ刺繍をライフスタイルに取り入れられる。
オススメは、刺繍ワークを施したシューズコレクション。全面に刺繍が施されて、インパクト大!
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Symbology
同じくヨルダン川西岸地区の女性たちが職人として生産を担う「Symbology」。ここは、その土地に根ざす伝統技術を守り伝えることをミッションに、そのほかにもインドのブロックプリント、ネイティブ・アメリカンの刺繍を用いたコレクションを展開している。いずれも、生産を担うのは女性だ。アパレルアイテムが充実しているのが特徴。コーディネートのメインに取り入れたい!
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SEP Jordan
ガザの難民キャンプの女性たちが生産を行う「SEP Jordan」。手刺繍を施したバッグやポーチ、ショールやカフィーヤなどのファッションアクセサリーのほか、デザインのオーダーメイドも可能なホームアイテムまで。
設立当初は、難民キャンプに住む女性20名ほどが生産に携わっていたが、どんどん規模を拡大して、いまでは300名近くが携わっているという急成長の注目株。
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