良い香りを嗅ぐと、すっと気分が緩んだり高揚したり、昔を思い出したり……そんな経験はありませんか? 視覚や聴覚と違い嗅覚は五感の中で唯一、大脳辺縁系という本能的な作用を司るところにダイレクトに伝達されます。イマジネーションにつながりやすく、心や体の状態を変えてくれるのが香りです。
そこで、アロマなどをライフスタイルに取り入れてみるのも良さそう。でもアロマって、柑橘系・フローラル系・樹脂系・エキゾチック系と、300種類以上もあって、自分に合っているものを選ぶのが難しいですよね。
フレグランスメーカーの株式会社キャライノベイトでは、香りを組み合わせて、自分好みの香りを作る「フレグランスアレンジ」のワークショップを開催しています。
自分好みの香りを作るって実際どんな感じなのでしょうか?
日本の香りの文化は1400年以上の歴史があります。奈良時代に淡路島に流れ着いた香木が推古天皇に献上されてから、平安時代の貴族の暮らしに欠かせないものになって、室町時代には香道が確立しました。
お香を焚いたり香り袋を身につけたり、手紙に香りを付けて送る習慣もあって、香りは生活の中に溶け込んでいました。香りは、日本の歴史と文化に深く関わっているものです。
そう教えてくれたのは、キャライノベイトの近藤理恵さん。ここではライフスタイルに合わせた、新しい香りの使い方を提案しているといいます。
自分自身が喜ぶ香りを知るために、フレグランスアレンジ(整香)を提案しています。26種類の香りから、好きな香り4種類(トップ・ノート1つ、ミドル・ノート2つ、ラスト・ノート1つ)を選び、好きな配合で、自分だけのオリジナルフレグランスを作るんです。
(提供:株式会社キャライノベイト)
また、2016年4月には、ワークショップのノウハウを生かして作られた整香のボディケアシリーズ「Dmateria(ディーマテリア)」も発売しました。
「Dmateria」のラインナップは、リキッドソープ、ボディローション、ボディミルク、バスソルト。それぞれ、爽やかな香りの「オレンジ&グレープフルーツ」、甘い香りの「パッションフルーツ&シャンパン」、清潔感がある「ホワイトリネン」、華やかな「クラシックローズ&リリー」、清涼感がある香りの「ゼラニウム&バジル」と、5種類の香りがあります。
ボディローションとボディミルクを違う香りで重ね付けしても、異なる香りの複数のミルクをミックスしても、良い香りになるようデザインされているそう。さらに香水のように、トップ・ノート、ミドル・ノート、ラスト・ノートと、香りが時間とともに変化するので、使用する分量を変えていくと香りの種類は無限に広がります。
(*使用後10分くらい漂う香りはトップ・ノート、その後に香ってくる主役となる香りはミドル・ノート、時間が経って消えてしまうまでの香りはラスト・ノート)
気分や体調で、好みの香りは毎日変わります。食事なら、「今日は何を食べようかな」と、その日の気分で食べたいものを選びますよね。「Dmateria」は、その日の状態の自分に合った香りを簡単にカスタマイズできるという、新感覚のボディケアです。香りも、柔軟に自分の心の変化に合わせられるのが楽しいところです。
筆者もトライ! 試した日は、バスタイムに蒸し暑く感じた日だったので、清涼感があるバジルの香りのバスソルトを使ってみました。リキッドソープにはダマスクローズの華やかな香りを。ボディローションはオレンジとグレープフルーツの香りでさっぱりした後、清潔感のある甘い香りのボディミルクを試してみました。
ソルトを入れたバスタイムは心地良く、就寝前に使ったローションとミルクは、初めは甘い香りだったのが、ローズやジャスミンのような香りに変化し、その後もいろんな香りに包まれて、ぐっすり眠ることができました。ダマスクローズが好みなので、それをベースに組み合わせ自分の香りを作ってみたいと思います。
近藤さんは、「自分が心地良く感じる香りを作ることは、香りのDIY」と、思っているそう。同じシリーズから、9月には洋服や空間へスプレーするドレッシングミストも発売されます。あなたも香りのDIY、試してみては!
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