スタイルとはなんだろう? 2016年3月上陸したヘアケアブランド「MR. SMITH(ミスタースミス)」の削ぎ落とされたシンプルさを見ると、なにもかも削ぎ落としてなお光るものーーそれこそが個性でありスタイルではないか? と感じる。2016年3月、「MR. SMITH」の創設者・David Justinが来日。彼に「スタイルとは?」と、実際に尋ねてみた。
「MR.SMITH」創設者・David Justin(右から2番目)と、ヘア・アーティストである母・Freda Rossidis(左から2番目)。
―― オーストラリアに生まれ育ったことは、成分へのこだわりに影響を与えていますか?
もちろんだ! メルボルンで育ったんだけど、いまはビーチの近くに住んでて自然が溢れている。だからオーガニックでナチュラルなものを作ることはすごく自然なことだったよ。
―― ちなみに、オーストラリアの自然を感じる、オススメの旅行先は?
もうぜったいバイロン・ベイだね! ニューサウスウェールズ州にあって、クイーンズランド州との州境のすぐ下にあるんだ。ビーチタウンで、もうとにかくきれい。サーフィンなどのマリンスポーツを楽しむにはもってこいだよ! 人もすてきだし、滞在するにはベストな場所だね!
―― あなたもマリンスポーツが好き?
毎週末サーフィンしてるよ! ダイビングも子どもの頃からしてる。
―― 「MR. SMITH」は、「スタイル」がメッセージにありますが、どういうことでしょう?
全ての製品はヴィーガンで、PETA認証を得ているよ。動物の副産物も使っていない。動物実験もしていない。そしてビーズワックスなど、自然なエッセンスを配合していて、化学物質は最小限。つまり、スタイルとサブスタンス(実質・中身の意)。成分は、選びぬかれたものだけを配合。パッケージも、成分に「余計なものは入っていない」ことを表すために、余計な装飾は全部落とした。スタイルを映し出すために、全てをミニマルにしたんだ。
「MR. SMITH」という名前も、マーケットにいる「誰か」にメッセージを投げかけるもの。まるで「ねぇ!」と、ちょっと声を掛けるかのようにね。すごくシンプルだけど、メッセージを届けられる名前にしたんだ。
―― スタイルとはなんでしょう?
スタイルというのは、その人が「自分らしいと感じられる、居心地の良いもの」じゃないかな。スタイルは流行によって廃れるものも、オシャレになるものでもない。スタイルは、より自分のことが好きだと思えるもの、かな。
―― じゃあ、あなたの「スタイル」は?
黒だね! 黒でシンプルに! 黒は全てを調和する色。いつも白・グレー・黒をミックス&マッチさせて楽しんでるかな。白いシャツっていうのは、完璧なアイテムだよね。
好きなブランドは、最近は「acne(アクネ)」「Dries van Noten(ドリス・ヴァン・ノッテン)」、そして「Saint Laurent(サン・ローラン)」。最近の70sのテイストはすごくシックだね!
―― 「自分のスタイル」を見つけるためにはどうしたらいい?
若い頃っていうのは、トレンドを追っかけたり、毎年服をとっかえひっかえ買ってきたり……でもいろいろ試したから、白・黒・グレーっていういまのスタイルを見つけられたんじゃないかな。
ヘア・アーティストである母の影響はすごくあるね! 母はいつでも「着たいものを着なさい、居心地が良いと思えるものを着なさい」と言っていてくれていたしね。それは僕自身、スタイルを見つけるためにすごく力になったことだったよ。
―― いまのファッションシーンは、あなたから見てどう映りますか?
ファッションは本当によく移り変わる。難しいな。あるシーズンはカラフルかと思えば、次のシーズンはモノトーンだったり。でも僕らのメッセージは、どれだけファッションが移り変わろうとも、スタイルというものは普遍で、それを伝えるために、これほどミニマルにしてるんだ。そしてそのメッセージにずっと誠実でいるよ。
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