紙を使ったアート作品は珍しいものではないが、Nikki NyemとAmy Flurryの作品は、紛れもなくほかに類を見ないモードな作品。
2009年にプロジェクト「paper-cut-project」を立ち上げた、米・アトランタに拠点を置く二人。紙を匠に切っては重ねて生み出す流線の美しい作品らは、数々のヘアスタイリストやデザイナーたちの目に止まった。
これまで、「Hermès」「Cartier」「Kate Spade」「Valentino」のラブコールを受け、ときに雑誌で、ときにランウェイ上で、コラボレーションを重ねてきた。
特に注目を集めるのは、ウィッグ・シリーズ「Hollywood Costume」。ロンドン・ヴィクトリア&アルバート博物館に展示もされている作品だ。18世紀の王宮スタイルを彷彿とさせるようなラグジュアリーな作品が、紙と糊という極めて庶民的な道具から作られていることに、ある種のアイロニーを感じざるを得ない。
もしかしたら誰もが目を見張るほどの「美」とは、極めて単純な方法から生まれるのかもしれない。
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