BIOを知り、日常の中に少し取り入れてみると、身の回りのケミカルで工業的なものも、違った角度から見えて、あらためて理解できたりします。
自分自身の中に新しいモノの見方、価値観が生まれる感覚は心地良い! だから、BIOは、ラッキーなこと!
「BIO is LUCKY!」では、BIOでラッキーな情報をご紹介していきます。
一般社団法人日本ビオホテル協会の中石真由子です。
世の中で、一番シャンプーに触れている時間が長い人は……
そう、美容師さんです。
その美容師さんの健康を第一に考えた取り組み「Grøn Salon(グリーン・サロン)」が非営利団体組織として、2005年にデンマークのコペンハーゲンで生まれ、「グリーン・サロン認証(総合環境認証)」が設定されました。
2009年にはスウェーデンへ広がり、その後スカンジナビアの国々に拡大を続けています。
その目的は大きく分けると3つ。
- 美容師の作業環境の改善
- 顧客の健康
- 自然環境への配慮
サロンや学校、美容商材等を対象に、製品の各種情報公開や製品リストの無償提供、健康や安全、法律に関する情報提供、製品内容の調査、美容師及び化粧品製造業者へのアドバイス有害物質を使わない講習やコース、各種勉強会等を行っていきます。
また、製品にも基準が設けられました。コペンハーゲンの自治体による検証・判断の結果、製品は次の3つに分類されます。
- ポジティブ製品リスト(Positive-Product List)
問題のある成分が含まれていない製品のリスト。グリーン・サロン認証(「総合環境認証」)のサロンで使用が推奨される。 - オブザベーション製品リスト(Observations-Product List)
少なくとも一つ以上、健康や環境のいずれかに問題のある物質を含む。グリーン・サロン認証(総合環境認証)のサロンで使用が可能。 - フィロソフィ製品リスト(Prohibitory product list)
人体や環境に有害であると判断された製品。
現在「推奨されるポジティブ製品」には、全部で5つのブランドが認定されていますが、そのうち「care of GERD(ケア・オブ・ヤード)」は、日本でも購入が可能です。
「care of GERD」の創設者は、ヨハン(弟)とアナレナ(姉)の姉弟。
ヨハンは、スウェーデンではトップヘアスタイリスト。ショーのバックステージ仕事をこなす中で、ケミカル商材に劣らないスタイリンク剤、ヘアワックスを自身で誕生させようと思い立ったそうです。
姉のアナレナは、ナチュラルスキンケアセラピスト。このブランドの特徴の一つである「アロマ(香り)」をプロデュースしています。
「care of GERD」の“GERD(ヤード)”は、彼らが愛する母の名前。
また、スウェーデンでは、北欧神話に出てくる誇り貴き名前でもあります。この名前が象徴するものは「愛」「純粋」「心地良さ」。
3つのコンセプトと母への感謝の気持ちが、このブランド名に込められています。
特徴は、水とアロマ、そしてベリーシードオイル。
深い雪で覆われた北欧、エリアの冬はマイナス40度。
植物が生育できる期間は、ほんの3カ月(6〜9月)。植物たちは、この限られた期間の中でいっせいに勢いよく育ちます。
そのことがきっと何か秘められたようなパワーにつながっているはずです。
このように、グリーン・サロンや「care of GERD」がそれぞれの立場で発信する「持続可能な美と豊かさ」、「環境と共存する美容の創造」。
美容師やサロン、ユーザー、プロダクトメーカーがそれぞれの立場で、それぞれについて考える役割を担うことは、身近な価値ある取り組みの一つであることには間違いありません。
一番使う人。
敏感で繊細な人。
そして大切にしなくてはならない環境や自然。
みなと全てが等しく共存することができる未来は、きっとあります。
- オーナーは、製品や薬剤、身体の健康に関する知識を有し、その知識を得るための化学や法律、労働安全衛生等を含む講習に参加しなければならない。
- オーナーや店長は、知識を得るための認証された研究講習を受講し、サロンのスタッフ、学生は、団体が承認した美容学校に行かなければならない。
- サロンでは、団体が確認している健康を害する恐れのある化学成分を含んだ製品を使用してはならない。また販売してもならない。
- サロンでは、特にアレルギーや過敏性の症状に配慮する。顧客に対して事前にアレルギーや過敏症の有無を確認し、有る場合には、医師に確認をする。
- ブリーチは、メッシュのみの対応とし、ブリーチ剤が地肌に触れてはならない。
- サロンの清掃等には、環境に配慮した洗剤のみを使用することができる。
- サロン内ラウンジで食べ物や飲み物を提供する場合は、全てオーガニック、ナチュラルでなければならない。
- グリーン・サロン総合環境規格の理論的なコースを受講していない従業員は、化学製品やアレルギー、健康に関するテストを受けなければならない。
上記8項目に加え、さらに、以下に掲げる7つ項目のうち、毎年、3つの項目について新たに取り組んでいかなければならない。
- エネルギー、水、廃棄物の節約
- 廃棄物の分別とリサイクル
- CO2削減と再生可能エネルギーの使用
- 交通手段の検証と対応(顧客やスタッフ)
- グリーン・エコな商品の購入等
- 持続可能なエネルギーの対応(設備の設置や開発等)
- 環境意識を高めること
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