自分で自分の服を縫ってみたい……でも型紙なんて作れないし、自分でデザインするセンスに自信もない……。そんな方におすすめしたいのが、NYの新サービス「Bespokery(ビスポーカリー)」。ハイデザインな服が自分で作れるDIYキットを販売するサービスです。
このサービスのイイところは、自分で作れること……だけじゃないのです! どんな可能性を秘めた新・サービスかというと……?
2016年1月、ニューヨークで産声をあげた新サービス「Bespokery」。販売しているのは、服作りのDIYキット。好みのデザインの服を購入する際、「自分で作る」「職人さんに頼む」のいずれかを選択する。
キットには、パターン(型紙)、作り方の説明書、生地が封入されている。あとは作るだけだ。
現在はタンクトップやワンピース、コート、キュロットなどを含む9型の展開だ(2016年1月現在)。
DIYキットは、XSからXLにあたる11種類のサイズから選択可能。そのサイズでフィットしない場合は、「Bespoke(ビスポーク)」として自分のサイズにカスタマイズしてオーダーすることもできる。上級者なら、パターンを調整して自分の体型にぴったり合わせて作ることができるだろう。
豊富なサイズ展開は、DIYキット販売ならでは。作ってもらう場合は、100ドル前後がキット代に加算される値段設定だ。
同サービスを立ち上げたのは、13年間「Feral Childe」というブランドをやってきたデザイナー・Moriah Carlson。
「Bespokery」から送られる生地は、テンセルやリネンの、いずれも上質かつエコな生地だというが、それは環境にやさしい素材のみを使う「Feral Childe」からの「伝統」だ。
私たちは、環境への負担がなるべく少ない生地を十分にソーシングできる。お客さまに届くDIYキットには、生地の詳細な説明も添付して送っているわ。
「いろんなデザイナーに、『Bespokery』でデザイン販売に参加してもらえるよう呼びかけているの」とも話すMoriahの言葉どおり、「Bespokery」は、デザイナーにとっても、作品を発表する新しいプラットフォームになっている。
Moriahは、続ける。
「Bespokery」は、デザイナーがよりファンを巻き込めるかたちを作っていると思うの。私自身デザイナーとして、自分のデザインをキットとして販売することで、着る人がもっと深く私の服のことを理解してくれるのが嬉しい。デザインの裏にあるロジックも感じてもらえるんじゃないかしら。
「作る」という過程を通じて、より深い絆をお客さんと作り、ともにファッションの新しいステージに向かっていけると思うわ。
「Bespokery」は、ハイファッションなデザイン服と、DIYという対極に位置する二つを結びつけるだけでなく、職人を守ること、在庫管理を含めた新しいサプライチェーンを築くこと、作り手と着る人の関係性を作り変えること……実に大きな可能性が込められているのだ。
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