1. ネット検索

まず初めに私がしたことは、「エコなハンガー」「エシカルなハンガー」「リサイクルハンガー」と、ネットで検索。すると、「リサイクルハンガー」のキーワードで「greenhook（グリーンフック）」を発見。

(Image via Marcel Green.com)

「greenhook」のホームページの見出しには「毎年、私たちは102階建てのビル4棟分相当を、ハンガーで埋め尽くしているのです」（筆者訳）というキャッチフレーズとともに、ハンガーの大量生産による、ごみ問題の現状が記されていました。

世界では、毎年80～100億のハンガーが市場で売買されています。それは、102階建てのビル4棟分を下から上まで埋め尽くすほどの量。しかし、そのうちリサイクルされるハンガーはたった15％です（引用：Green progress）。

プラスチック製・金属製のハンガーの大半は、リサイクルの段階で成分を分解するのが非常に困難なため、多くの市町村がこの類のゴミを再利用していません。その結果、何トンものプラスチック・金属が捨てられ、それらが薬品の力なしで風化するのには800年以上かかるといわれています。洋服のハンガーの大量廃棄は、世界規模で非常に大きな、しかしほとんど知られていない環境問題の一つなのです。
（筆者訳）

そこで！　2009年にエコハンガーの先駆者として、100％リサイクル素材使用＆生分解性の「greenhook」が誕生しました。デビュー時には、パリの超有名セレクトショップ「colette」でも使用され、その後も環境に配慮するアパレルブランドの味方となっています。10本から購入できるので、個人宅用に皆が気軽に試せるところも魅力です。

2. 中古品販売サイトで探す

フランスで一番有名な、不要品の売買サイト「leboncoin（ルボンコワン）」。どんなカテゴリーのものも簡単に探すことができます。

お目当ての品が見つかったら、サイトを離れて個人間で取引するというしくみになっており、私はここで20本10€のお買い得な木製ハンガーをゲット！　要らないものを誰かに譲ることでゴミが出ることもなく、受け取った人も喜ぶwin-winなモノのサイクルのかたちは、フランス人の日常の中で自然に行われている習慣です。

3. リサイクルショップに行く

フランスでもっとも大きいNGO団体の一つ「Emmaüs（エマウス）」。人々が寄付する不用品を修理し、再販するリサイクルショップを運営しています。現在フランス国内115カ所、世界41カ所で展開しています。
　ショップの店員さんには身寄りのないホームレスの方々を積極的に雇用し、社会復帰を支援。政府の援助は受けずに独自に運営しているのもすごい！　ここにも本当にいろんなカテゴリーのものがあるので、お目当ての品を一発で見つけるには少し大変かもしれませんが、値段もお手頃で素敵なものがたくさんあるので一度行く価値ありです。

4. 道で拾う!!!!!!

中古品を寄付したり売ったりする習慣が根強いこの国ですが、一方でモノを簡単に捨ててしまう人がいるのも事実。フランスでは毎年約200万トンの家具類ゴミが出ており、そのゴミに対するリサイクル技術はまだまだ進んでいないようです（参考：vedura。なお、フランスでは路上に捨てられた粗大ごみ類を拾うのは違法ではありません）。

左写真のように、大胆に捨てられた粗大ごみたちを路上で見かけるもの珍しくありません。その中にはまだ使えるものがたくさん。ちなみに私は過去に、靴箱や掃除機を拾ったことがあり、いまでもガンガン使っています（笑）。

そして先日は幸運なことに、キレイなハンガーを大量に道端で発見！　ありがたく全部持って帰りました。

私の周りにも、椅子や家具を拾った経験がある友人たちがたくさんいます。焼却炉に行きそうなゴミを救い出すのも、ある意味フランス的エシカルなのかもしれません（笑）。

エシカルなものを見つけたときの特別感がうれしい

というわけで、エシカルハンガー探しの旅は、40本の収穫とともにめでたく終了したのでした。

ハンガー以外にも、ちょっと探してみるとたくさんのものがリサイクルか中古で手に入ります。環境に負担の少ないモノ選びを心がければゴミが減り、資源を無駄遣いしなくて済む。長い目で見れば、地球に住む自分たちや次の世代の未来を大事にすることにつながります。

かといって、「私は全くゴミも出さないしエシカルなモノしか買いません！」というワケでもありませんし、自分でできる範囲のことをコツコツしているだけ。ふだんの生活をしながらストイックになるのは難しいし、続かないでしょう。ただ、世界の多くの人がこうして少しずつ気を付けることで減らせるごみは、少数派のみがストイックにエコ生活して減らせる量よりも格段に多いと思います。

結局筆者も、「地球のため」というよりは「自分たちのため」にやっているというという感覚だから続けられているのかもしれません。なんでも簡単に手に入る時代だからこそ、エシカルなものを見つけたときの特別感や喜びもひとしお。宝探しをするような感覚でエシカル探しを楽しんでみてはいかがでしょうか！