「DRESSCAMP」2016SSコレクション ラストを飾った漆黒ドレスのヒミツ

Photography Courtesy of 京都紋付 2015. 12. 29

岩谷俊和が手がける「DRESSCAMP(ドレスキャンプ)」の2016年春夏コレクションのラストに、伝統的な黒染めのシリーズが登場。日本の伝統的な正装である黒紋付を染める黒染屋「京都紋付」による染色だ。
「DRESSCAMP」の岩谷俊和が、黒色へのこだわりに共感し、黒の世界観をドレスで表現した。「京都紋付」の黒一筋の歴史や黒色の深さに驚いたという。

「京都紋付」は、黒紋付を染めて100年になる老舗。京都紋付で染めた黒は、「深黒(しんくろ)」と呼ばれるもの。同社が一層深い黒を目指し、独自開発した技術だ。

従来の黒染めの技術では、深みのある色を出すために何度も下染めを繰り返し、色を重ねていく必要があった。大量の染料を使い、手間も多くかかるため、江戸時代から黒染めの生地は高価なものとされた。

「深黒」は、黒染加工を施した後、再加工をし、天日干しで乾かすことで黒さをより一層際立たせる技術。

一般的な黒染物との比較。左が「深黒」。その違いがはっきりと分かる。

一般的な黒染物との比較。左が「深黒」。その違いがはっきりと分かる。

「京都紋付」代表取締役社長・荒川徹は、今後も「深黒」の技術を洋装の染色にも広げていくと話し、加工ブランド「れい」として、国内だけではなく海外からも染色加工を受託している。

残念ながら着物のマーケットは昭和50年前後と比べると10分の1近く。紋付のマーケットはもっと厳しく、100分の1ほど。紋付の染色技術を、洋装品を染めることで、残していかなければならない。

京都紋付

Website:http://www.kmontsuki.co.jp/

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