父親は仕事で家族を支える中心であり、母親は子どもを育てる……。少しずつ変わってきているといえど、往々にして家族の「常識」はそのようにできています。
渡邊家族は、その「常識」に関係なく平等に子育てをし、子育てを通して人生の大きな変化をともに遂げました。
どんな環境でも家族と支え合い、自分を変えていくーそんな勇気をくれる家族のストーリーをお届けします!
―― 早速ですが、お二人の出会いから、結婚・妊娠に至るまでを教えてください。
麻奈美: 私たちはもともと会社の同期で、同じ部署に配属されました。2年ほどは「仲の良い同期」程度の関係でしたが、互いのことを知るうちに、自然とお付き合いすることになりました。付き合いだして約3カ月後、達明が島根に出向になり、遠距離恋愛をしていたのですが、直後に私が妊娠をしていることが判明しました。
達明: 麻奈美から電話で「大事な話がある」といわれたとき、遠距離恋愛なので「別れ話がきたのか……」と思いました(笑)。でも妊娠を聞いてすぐに結婚を決めました。
麻奈美: 妊娠が分かったときは社会人3年目で、まさにこれからというときだったので、「私のキャリアはもう望めないのか」とも思いましたが、授かった命を大事にするしかないと、結婚・出産を決めました。そして結婚し、ほどなく達明も東京に戻り、家族生活が始まりました。
―― 出産されたときは、どんな気持ちでしたか?
麻奈美: りりが生まれるまでは実感がなく、生まれた後の生活は全く想像ができませんでした。出産の瞬間は、自分のお腹からでてくるりりを見て「ほんとに子どもが生まれたんや」と、衝撃的でしたね(笑)。きれいな言葉で表現できない、リアルな体験でした。
達明: 僕は出産に立ち会ったもののなにもできず……。りりを抱っこして、麻奈美に「よく頑張った」という気持ちでいっぱいでした。
―― その後、二人とも育児休暇を取得し、子育てをされたのはなぜですか?
麻奈美: 生まれてまもなくりりに不整脈が見つかり、遠い病院に頻繁に通わざるをえず……。私の体力も落ちていたので、家事・育児・通院の全てを一人ではできないと、達明が育休を取ることになりました。
達明: 育休を取る男性は周囲には皆無でしたが、当時勤めていた会社の理解もあり、半年間の育休を取得しました。「その間はキャリアが止まり、不安ではないか?」とよく聞かれましたが、育休中のまとまった時間で勉強すれば、逆にスキルアップできるという気持ちでしたね。
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