「Susana Colina(スザーナ・コリーナ)」を見つけたのは、Instagram(インスタグラム)。直線的でクリーンなシルエットに一目惚れ! しかも、南アメリカ・ベネズエラ人とくれば(私のフィアンセもベネズエラ人だ)、会わずにおれない。早速連絡をしてみると、デザイナーのスザーナは快くブルックリンのスタジオに迎い入れてくれた。
ベネズエラは学歴を重んじる社会だ。しかし、情熱を掛けられるものやクリエイティブなものに熱中したときは、そちらのほうに注力する人が多いように感じる。筆者のフィアンセも、コロンビアで建築の修士を修めたが、DJ稼業のほうが魅力的だったようで、いまはDJとして働いている。
その点に関して、スザーナも同じ意見のようだ。
「私の友人のほとんどはミュージシャンよ」と、スザーナは言う。彼女自身、バンドをやっていたことがあり、ベネズエラ人のDJの男性と付き合っていたこともあるそう(私のフィアンセとは別の人だ)。「DJはだいたいエンジニアか建築家じゃない(笑)? でもその肩書を手にしたあと、なんでも好きなことをやりだすのよ。おかしな話よね。最初からやりたいほうに行けばいいのに」と、続けるスザーナ。
「私も、グラフィックデザインを専攻したの。ベネズエラでは、ファッションデザインはキャリアとして認められていないの。私の家族もアカデミックな家だから、私がファッションデザイナーになるなんて、『ありえない』ことだったのよ。姉がファッションデザイナーになるって言い出したときも、母は『やめて!!!!』って言ってたし」。
しかし、グラフィックデザインを学んだことは、スザーナにとっては「吉」だったようだ。
グラフィックやアートについて知識があるのは役立つわ。好きな生地を見つけても、アタマの中で『こういうことしよう』ってすぐ思い浮かぶの。
子どもの頃は、母のお下がりをよくもらってて、それを全部自分の好みにリメイクしたりお直ししていたの。自分を表現したくて、ありとあらゆることをしたように思うわ。バンドをやってたときも、母のドレスをリメイクしたものを着てステージに立ってたわ。
そんなスザーナがNYを初めて訪れたのは1997年。その後ロンドンとバルセロナに数年ずつ滞在したあと、NYに戻ってきていまから6年前にブランドを立ち上げたという。
ベジタリアンだったから、モノがどうやってできてるのか、いつも疑問を持つクセがあったのよね。「どこで採れた野菜なの?」っていうのはもちろん、車も服も「どうやって作られてるの?」って。そんなときに、サステナブルな生地を見つけて、全てがつながったって感じかしら。
彼女が使うのは、オーガニックコットンやヘンプ、大豆ベースの繊維やシルクなどの天然繊維だ。
初めた当初は良い生地がなかなか見つからなかったわ。でもこの5年でだいぶ良い生地が出てきているの。例えば、アイロンがダメな生地も、アイロンOKになったりね。すごく楽になってきたわよ。
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