この秋、パタゴニア社(本社:米国カリフォルニア州ベンチュラ、日本支社:神奈川県横浜市)は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州で象徴的存在であるジャンボ・バレーの未来をめぐり、数十年間続く闘いの真実を描いた、約1時間のドキュメンタリー映画「Jumbo Wild」(スウィートグラス・プロダクション)を公開。この映画では、手つかずの自然の中での体験を守ろうとする人々と、開発事業者との間で起きている対立に焦点を当てた。
大規模なスキーリゾートの建設が提案されているブリティッシュ・コロンビア州パーセル山脈は、手つかずの自然の山中を滑るスタイルであるバックカントリー・スキーおよびスノーボードを楽しむ場所としても名高く、世界トップレベルの地形を誇る。
「Jumbo Wild」は、地域住民、ファースト・ネーションズ、保護活動家、そしてリゾート開発業者と政治家が、ジャンボの未来をめぐり繰り広げてきた歴史的な闘いを描く。議論の分かれているこの問題についてあらゆる側面から描き、問題を初めて全世界に紹介する作品となっている。
ジャンボ・グレイシャー・リゾートは、ヨーロピアンスタイルの広大な通年型スキーリゾートとして建設が提案されており、複数の氷河へのアクセスを可能にする計画。現在、近隣の町インバーメアの4時間圏内には、パノラマ、キンバリー、ファーニー、レイク・ルイーズといった複数のスキーリゾートが存在していますが、そのいずれもが定員を下回っている。
一方地域住民、スキーヤ-、スノーボーダー、アルピニスト、グリズリーベア保護活動家、そしてクトゥーナーハ・ネーションは、バックカントリーの原生自然が企業化されてしまうことに、24年にわたって反対し続けている。パタゴニアは開発事業に歯止めをかけ、文化的・経済的にも大きな価値を持つジャンボ・バレーの永久的保護に向け、世界中に保護活動への参加を呼びかけており、2012年以降「ジャンボを野生のままに保つ」ための活動において、資金的支援を行っているという。
パタゴニアは、東京(11月2日)、仙台、大阪、白馬、札幌で「Jumbo Wild」の上映ツアーを開催。ジャンボ・バレー保護の署名を募る。また、iTunesやVimeoを通じて12月中旬から映像の販売を開始する予定。売上は、保護活動を行うローカルパートナー・Wildsightの活動に役立てられるという。
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