無類のコーヒー好きとして、カフェ経営&豆の販売代理業務を行う「Coffee Circle(コーヒー・サークル)」のMartinにインタビューするというのは、少し恐怖でもあった。カフェインの中毒症状が現れてしまいそうで!
彼らの元に到着して、早速エスプレッソマシンに立ち寄るはめになる。そしてなめらかで美しいラテアートを目の当たりにする。
しかし、コーヒーについては何も知らないのが正直なところ。近年よく見かけるミルクとエスプレッソから成る飲みものは非常に美しいが、コーヒー飲料の進化にはついていけていない。
だから、Sinje(「Coffee Circle」チームのこと)が冷たいドリップコーヒーを淹れる様子を眺めるのは、まるで魔法のようでおもしろかった。彼らの手つきはゆっくりで穏やか。彼らが出してくれたコーヒーは、紅茶のように透き通って明るく、繊細な味わいがした。
カフェラテとドリップコーヒーの二杯を早々に味わったところで、Martinに「Coffee Circle」について尋ねた。
―― まずは自己紹介を。
「Coffee Circle」の創設者の一人、マーティンです。
―― あなたの活動について教えてください。
広く全体で見て、自分たちがどういう立ち位置にいるのかはよく分からないけど、近年僕らが達成したことを紹介しよう。
毎日、おいしいコーヒーを提供してみんなをハッピーにする。そして、15,000人ものエチオピアの人々の生活を向上させてきた。利益を彼らとシェアして、インフラ整備に投資したり、昨年は600人を通わせられる学校をつくったりした。基礎的な勉強の機会を作るためだ。
わくわくしているのは、ちょうどスタートした大きなプロジェクト。僕らが活動する地域の46,000人の住人のために、きれいな水と清潔な衛生環境を提供するためのプロジェクトだ。
なんで始めたか、たぶん、何か社会に「違い」を生みだしたかったんだ。これを始めた5年前には自分でよく分かっていなかったけど。その当時は、とにかく楽しくて自信があったんだ。
「Coffee Circle」は、エチオピアの経済と人々にポジティブなインパクトをもたらし、彼らがより良い生活を送れるように支援するしくみ。起業家精神が生活を変えていく大きな力になると思っているよ。
―― 「Coffee Circle」を始めて、プライベートのライフスタイルは変わりました?
もちろんさ! まず、僕はコーヒーを飲むけど、その量と頻度はしごく平均的だったと思う。初めた当初、コーヒーについて全く知らなかったし。でも最近じゃあすっかり「コーヒーオタク」で知られているよ。
そしてやっているうちに、同じように「違い」を社会に作り出そうとしている起業家の仲間と知り合う機会も増えた。コーヒーに限らず、サステナビリティやオーガニック生産、食の品質など、現代社会では目を背けてはならない問題に取り組んでいる仲間だ。
食と衣服に関しては、姿勢がぜんぜん変わったね。移動の仕方も。旅行は大好きで、飛行機なんかに乗りまくっているけど、少なくとも問題を知ってはいる。
―― あなたにとって理想的な社会とは?
うわあ、難しい質問だね。僕にとっては……飢餓と社会的な不平等がない世界かなぁ。
完璧な世界っていうのは、きっと環境と共存していて、共生の関係の中で、テクノロジーやアート、カルチャーが発展している状態かな。より多くの人が、消費のあり方について自ら問いかけてくれるといいな。いわゆる「先進国」に住む僕らの抱える問題っていうのは、自分たちの消費が原因だからね。
―― 最後に一言どうぞ!
うん、そのコーヒーを飲む前に、ちょいと考えてみてね! ってことかな!
コメントを投稿するにはログインしてください。