「Made in ◯◯」がブーム! だけど、その意味って?

2015. 7. 22

「Made in ◯◯」というラベルが服には縫い付けられていますが、じっくり見たことはありますか? その中で、なんとなくイメージの良い国・悪い国ってありませんか? そんなラベルシステムについて、ちょっと考えてみましょう!

戦後、ファッション産業は大成長を遂げました。そして、「Made in ◯◯」というラベルは、あなたが質の良いデザイナーズ・アイテムやブランドのものを着用するハイセンスでステータスのある人であることを示す、重要なファクターになりました。しかし、「Made in ◯◯」というラベルは、実際にはどういったことを示すものなのでしょうか?

振り返れば産業革命以降、製品がどこで作られたものなのかを示すのが慣習・義務になり、どこで作られたかによって、メーカーの質を表すようになりました。

近年、「Made in ◯◯」というラベルは、製品そのものの質のみならず、作った人がどういった環境で作っているかを消費者に示すものになりました。労働環境は劣悪でないか、きちんとした賃金をもらっているか、健康を維持できる環境か……残念なことに、ある特定の国のラベルは、スウェットショップ(*1)のイメージがついてしまっています。たとえば、悲惨な事故があった「バングラデシュ」などです。

そんな生産国の持つイメージによって、ブランドのイメージも損なわれる時代になったのです(ただし、ブランドたちはその生産体制を見直しきってはいないですが)。

しかし、グローバル化が進み産業が発展するにつれ、サプライチェーンはますます複雑なものになり、「Made in ◯◯」というラベルが付いていても、一概にその国で作られたと言うのが難しくなりました

まず、スウェットショップのイメージがある国で作られた製品でも、一概にそうとは言い切れません。現地の人々と努力し、適切な環境と賃金を支払っているメーカーもあります。

次にかつて、製品の仕上がりも労働環境等も「質が良い」という名誉を保っていた国が、その実態を失いつつあります。たとえば「イタリア」。同国は至高なる技術と素材を用いた上質な製品の代名詞的存在でした。そういった「イメージの良い」国々に、スウェットショップが増えているのです

最後に、中国をはじめとする人件費の安い国々に生産を委託していながら、最後の包装や縫い付けだけを、フランスやイタリアの自国で行って「Made in France」「Made in Italy」といった「良いイメージのある」ラベルをつけているブランドもあります。良いイメージを与えるため、消費者を欺くような行為。まさに「透明性」が求められます。

ラベル一つで、質や背景が分かるわけありません。でも、何かしら目安は欲しいですよね。製造国表示が頼りにならないなら、「フェアトレード」「オーガニックコットン」の国際的なラベル制度が一つの基準になります。

しかし、いちばんの方法はブランドの製造過程を自分で調べること。いろんなニュースを読んだり店員さんに尋ねてみたりすると、少しずつ分かってきます。ブランドの質の良さとは、見た目の良さだけでなく、製造過程にまで情熱を持って取り組んでいるかどうかではないでしょうか。


*1……危険で非衛生的な職場環境、極めて低い賃金での長時間労働、労働者の団結や抗議に対する不当な解雇など、労働者の基本的な権利を無視して働かせる搾取工場のこと。

This Article is Originally from...

Leena Oijala 'What Does the ‘Made In’ Label on Your Clothes Really Mean?' ECOSALON , July 21, 2015 by

>> http://ecosalon.com/what-does-the-made-in-label-on-your-clothes-really-mean/

(許諾を得て掲載)

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