飽食大国アメリカ。食べ残しの廃棄も多いけれど、そもそも流通に乗る前の畑でもっと捨てられています。アメリカの民間放送局・PBSで詳しく取り上げられたその様子は、ちょっとショッキング。
カリフォルニア州サリナスは、アメリカで消費される野菜の約7割を生産する「アメリカのサラダボウル」。しかし、ここで生産された全てが流通に乗るわけではありません。「売れない」と判断されたものはトラックに乗せられ、そのままゴミ焼却場へ。ゴミ焼却場の担当者も「ケール、ブロッコリー、レタスもある! サラダを作れるよ」と皮肉交じり。
アメリカで生産された食料のうち、およそ40%が消費されることなく捨てられています。運搬中や加工・梱包時に傷めたもののほか、家庭から出る生ごみもあります。
しかし、畑から出荷さえされない野菜の廃棄も、非常に多い割合を占めているそう。その割合――実に最大30%と、アメリカの環境保護団体・天然資源保護協議会(Natural Resources Defense Council)は推定しているといいます。
その理由は、食料品店や大手スーパーが設ける、生鮮食品の見栄えの良さの基準。つまり見栄えのよくないもの、基準を満たすことのできないものは、買い手がつかないので廃棄されてしまいます。
このカリフラワーは売れないのだそう。何が”ヘン”か分かりますか? 答えは「ほかと比べて黄色い」。
いまや、ゴミ処理場に持ち込まれるゴミのうち、もっとも多くの割合を占めているのが食料品だそうです。
最近では、このムダを改善すべく、本来なら廃棄予定の野菜をフードバンクに提供する農家が出てきたそう。しかし、分別してフードバンクに送るよりは「ただ捨てるほうがコスト的にラク」という農場経営者もおり、流通にイノベーションをもたらす新しいビジネスが待ち望まれています。
フランスの大手スーパー・Intermarche(アンターマルシェ)が、2014年3月から始めた「ぶかっこうな果物と野菜たち」。文字通り、ブサイクな果物と野菜を、通常の値段より30%安く販売。食料のムダをなくそうと立ち上げた。開始2日間で合計1.2トンのブサイク果物と野菜を売り切った。
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