バルカン半島の気鋭のデザイナーが見つかるオンラインショップ「Bastet Noir」設立者にインタビュー

2015. 6. 24

ギリシャ、アルバニア、ブルガリア、マケドニア……バルカン半島「Bastet Noir」は、バルカン半島エリアの有望な若手デザイナーを紹介するオンラインショップ。2012年にスタートして以来、この地域で熱心に活動するデザイナーたちを発信してきた。

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特筆すべきは、自然を大切に思い、サステナビリティに注力するデザイナーに重きを置いていること。この地域にもサステナビリティの波が広がりつつあるのだ。

「Bastet Noir」の生みの親・Daniela Milosheskaは、マケドニア出身。この地域におけるサステナビリティの波を後押しし、バルカン半島のデザイナーたちに未来を示す人だ。基準は、フェアトレードで作っている、または天然素材ないしリサイクル素材で作っていること。

Danielaに、ヨーロッパ西と東の間にある「壁」のことや、彼女自身の夢について尋ねた。

―― 「Bastet Noir」はどのようにして生まれたのですか?

いま「Bastet Noir」は、バルカン半島のデザイナーたちのアイテムを見つける総合的なプラットフォームとして認知されています。バルカン・デザイナーたちが、外国メディアで露出を増やし、注目を集めるきっかけを作る場になっています。

私は、エシカルファッションのリサーチャー・コラムニストとして働いていました。それでもともとは、サステナブルな商品を買えるプラットフォームを作ろうと思っていたんです。しかし、他のデザイナーたちも巻き込んでいくことが、今後は必要です。それで、若手デザイナーたちのアイテムをキュレーションするようになりました。

―― ヨーロッパの西と東で、趣味嗜好に違いはありますか? あるとすれば、どのように違いますか?

西のオシャレな人たちは、自分に似合うものを知っており、トレンドとうまく付き合える人が多いように感じます。トレンドに乗りながらも、自分の個性に合わせて調整ができるというか。ヴィンテージや古着の商品もうまく取り入れていますね。

一方、東のオシャレな人たちは、トレンドに非常に流されやすいようです。カジュアルな装いも好きですし、パーティなどでドレスアップすることも好き。いずれにせよハイヒールを合わせます。とてもかわいらしいのですが、「トレンドそのまま!」という印象を受けます。「Zara」「Bershka」「Pull&Bear」がマストハブ。ヴィンテージや古着にはすごく抵抗を示します。

最大の違いは、東の女性たちは、ウェディングなどの大きなイベントでないとグラマラスな装いをしないこと。でも西の女性たちは、機会があればグラマラスにドレスアップしています。

―― あなた自身、好きなデザイナーは誰ですか?

「Stella McCartney」が最愛ブランドね! ストレートなラインは、女性のシルエットをより美しく見せてくれます。「Henrietta Ludgate」の鮮やかなカラーリングとクレイジーなカッティングのドレスもステキです。「VOZ」も南米チリ・ペルーの刺繍やプリントを見るのが毎回楽しみですね。

女優のエマ・ワトソンやリヴィア・ファースは、自身の知名度を生かして、エコファッションを広めており、尊敬しています。ジュエリーの「Cartier」やケリング・グループ(※「GUCCI」「PUMA」「BALENCIAGA」などを保有する世界的コングロマリット)も、大きな組織の中でできることをしながら、なおかつ中小ブランドを支援しており、ステキだと思っています。

―― ずっとエシカル/サステナブルなファッションに興味があったのですか?

以前はそれこそ「Zara」「Bershka」でばかり服を買っていて、典型的な「東欧ガール」だったと思います。

しかし、2年前にラナ・プラザビル倒壊事故(バングラデシュ)が起きてから、このような悲劇が二度と起きないようにしたいと思いました。それで、少しずつ買う場所を変えることから始めました。まずはローカルな、地域を大切にしているデザイナーへ。オンラインショップの「ASOS Marketplace」や「ASOS Green Room」をよく使っています。

最近になって、古着も着てみようと思えるようになりました。初めて買った古着は、デニムシャツ。すごく柔らかいのですが、「もうそんな服を作っているところは、どこにもないんじゃない?」と感じる1枚。そうやって、私自身できることから少しずつ変わってきました。

でもレザー、つまり皮革製品については、まだまだですね。「もう使わない!」と決めたけれど、やっぱりレザー製品は大好き。使うときは、セカンドハンドのもの、古着のもの、もしくは母のクローゼットから拝借したものに限っています。

―― これからの予定などを教えてください。

この2年は本当に濃密で、新しい挑戦ばかりでした。最も嬉しかったのは、友人たちがビジネスに参画してくれたこと。いっしょに、インターナショナルなビジネスを目指してくれています。クリエイティブ・マネージャーのMonika Zecと、PRマネジャーのMeri Vanchovska Mihailovskaには心から感謝しています。

これから「Bastet Noir」をより総合的なプラットフォームとして成長させていきたいと思っています。若手デザイナーやブロガーたちとともに、「次のサステナブルな『イット・アイテム』を見つけるならココ!」と思っていただける活発なコミュニティとして育てていきたいですね。

This Article is Originally from...

Chere Di Boscio 'GIRL BOSS: AN INTERVIEW WITH BASTET NOIR’S DANIELA MILOSHESKA ' Eluxe Magazine , Jun 22, 2015

>> http://eluxemagazine.com/people/daniela-milosheska/

(許諾を得て掲載)

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