イスラエルによる完全封鎖や、ガザ攻撃。昨年は空爆があり、いまだ状況の安定しないパレスチナ。しかし、パレスチナの人々はとってもタフ。伝統的な刺繍や織りの技術を用い、ランウェイ上でメッセージを発信している人たちがいます。
古来から豊かなテキスタイルカルチャーを持つパレスチナは、織物や染め物、そして母から娘へ受け継ぐ刺繍が有名。今回は、長びく争いの状況に、針と糸を使って抗議するパレスチナのブランド&アイテムをご紹介します。
Ibra Wa Khayt Designs
「Ibra wa Khayt」というブランド名こそ、意味は「針と糸」。パレスチナの女性たちが世代を超えて受け継いできた刺繍をモチーフにしています。
刺繍にはそれぞれいろんな物語が込められています。「占領や植民地化、そしてディアスポラという悲しい歴史のことも、そして日々の喜びやそれぞれの村の歴史の記録も。自分たちのルーツがどこにあるのか、この刺繍には示されているのです」と、話すのは、設立した2人の女性Weeam HammoudehとTamara Reem。このブランドでは、パレスチナ女性の雇用創出も目指しているといいます。
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Via: http://www.ibrawakhayt.com/photo-gallery/
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Via: http://www.ibrawakhayt.com/photo-gallery/
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Via: http://www.ibrawakhayt.com/photo-gallery/
Jamal Taslaq Couture
パレスチナ生まれのクチュールデザイナー・Jamal Taslaqも、「祖国」の豊かな手仕事文化を発信しているデザイナーの一人。国連で発表したこともあるパレスチナファッションの第一人者です。いまはローマに拠点を置いており、イタリアで培ったルネッサンス・テイストをミックスした、イブニングドレスやカクテルドレス、スーツなどを仕立てています。シャロン・ストーンなどのセレブにも愛用者が多いほか、アラブ諸国にもファンが多く、ヨルダンのラーニア女王もファンの一人だそう。パレスチナの自由を訴え、国旗をランウェイに掲げたのも話題になった演出。
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All Things Mochi
世界各国の伝統のテキスタイルと刺繍技術をとにかくたっぷりと取り入れる「All Things Mochi」。ドバイ在住のデザイナー・Ayah Tabariが、各地の素晴らしい緻密な刺繍技術をトレンドルックに合う、コレクションにまとめあげています。パレスチナ・コレクションはもはやアート。
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「コレクションを通じて、このような状況下にあっても伝統の手仕事が力強く残っていることを伝えたかったの」と、話すAyah Tabari。彼女は、ロンドンで学んだパレスチナ人デザイナーです。「コレクションを作るために、親戚や友人の家族をたどっていきました。それを通じて、同胞たちとつながり合えたのは、とても意味があることでした。みな生産を担うことで私を支えてくれましたし、また道を指し示してくれました」と、振り返ります。オンラインモール「ASOS」での取り扱いアリ!
Palestyle
レバノンへ避難した難民の女性たちの刺繍ワークにインスピレーションを受けて、2009年に生まれたブランド「Palestyle」。難民の女性たちに安定した仕事を、という思いで生まれました。現在は、約100人の難民女性に刺繍仕事を依頼しています。
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