「ace&jig(エイス・アンド・ジグ)」 の服は、不思議な感覚になる。どこかノスタルジックなのに、着こなしによっていつまでも着られそう! というワクワクがある。どんな強いトレンドにも負けないような、時間を超えた感覚を覚える。それはひとえに、そのカラフルでオリジナルなテキスタイルのためだ。今年の春から、日本でもバーニーズニューヨークで一部取り扱いが始まる。
「ace&jig」 生地は、インドの職人たちが手仕事で糸を染め、手織りして作られる。エフォートレスなシルエットだが、生地のオリジナリティゆえに、1枚着ればパンチが効く。それでいてそのパンチは実にやさしい印象を与えるので、どぎつくならない。着こなししだいで、いつまでも着られる服を目指している。
そのために心がけているのは、上質で丈夫な生地づくり。ニューヨークはブルックリンでブランドを立ち上げたCary VaughanとJenna Wilsonは、テキスタイルへの強い愛情で結ばれている。そんな彼女たちがインドの職人たちと紡ぎ出すテキスタイルづくりについて尋ねた。
―― インドの技術のどんなところに魅力を感じたのですか?
インドのテキスタイルづくりの現場には、常に「新しいことに挑戦しよう!」という雰囲気があるように感じました。インドには、織りに関して豊かな歴史があります。そして一つひとつの作品に、卓越した技術をもって取り組んでいます。インドで、織りはまだまだ商業化されていない部分が多く、手織りが広く行われています。私たちは、そんなものづくりの豊かさ、職人のみなさんの姿勢に興奮しますし、たいへんなインスピレーションを受けています。
私たちのパートナーは、古い木製の手織り用の織機を使っています。そして、ともに良いものを作るための改善の意識が素晴らしい。彼らの工房では、無料のチャイルドケアがあるだけでなく、回収した水をオーガニックな農作物を作るために充てており、そこで働く職人たちで分けあって食べています。彼らの働き方が信頼できると思って、パートナーになっていただきました。
―― インドで生産する難しさはどんなところにありますか?
やはり距離でしょうか。年に何回かインドへ行って、一人ひとりの職人と話し合いながら、私たちの目指す理想的な生地を作っています。この渡航はとっても大切な作業なのですが、やっぱり大変です。時間が掛かることはもちろん、時差も大きいですし、愛する家族と離れなければならない時間も相当あります。大変ですが、信頼できるパートナーと継続的に取り組みができていることは、幸運なことだといえるでしょう。
―― そもそも、なぜテキスタイルが好きなのですか?
私たちはともに、祖母の影響を大きく受けています。私たちの祖母は、それぞれアンティークや古い雑貨をよくコレクションしていました。祖母の集めた生地の端切れをとても気に入っていました。それに、とてもラッキーなことに、世界でも有名なテキスタイルの宝庫といえる場所を訪ねることができました。ロンドンのポートベローマーケットに、アメリカのブリムフィールド……いろんなところに行きました。私たちは、最高のテキスタイルとは、時代を経ても変わらず美しいものだと考えます。色も手触りも、深みがあり、シーズンやトレンドに左右されません。
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