一つ購入されるごとに一つ寄付をする「One for One(ワン・フォー・ワン)」というコンセプトでソーシャルな取り組みとビジネスをつなげ、世界で話題のブランド「TOMS(トムス)」。もともと靴で始まった同ブランドが、バッグでの「One for One」をスタートする。「あなたがバッグを一つ買うたび、「TOMS」から母子へ安全に出産できる環境を提供します」というスローガンの下、日本でも2015年3月から販売を開始している。
世界では約4000万人もの女性が、知識のある助産師の助けを借りずに出産するといわれている*1。それによって引き起こされるのが、母親と新生児の死亡。その主な原因とされるのは、感染症だ。しかしこれは、衛生環境の整った施設と、適切な処置ができる人(医師など)、またはその処置方法さえ提供できれば、数千人もの人の命を救うことができるといわれている。
そこで「TOMS」では、一つバッグが購入されるごとに、その資金でギビングパートナー(※途上国への提供活動を担う提携団体)を通じ、現地で安全に出産ができるよう、石鹸や手袋、ガーゼやコードクランプ、メス、洗浄液などの必要な器具を提供する。また、助産師にはトレーニングも行っていくという。今回届けられる地域は、バングラデシュ・エチオピア・インドとのこと。
もともと靴で始まった「TOMS」。靴を1足購入すると、子どもたちが学校に通ったり運動するために履く靴を新しく生産して届けることから始まった。次いで2011年に始まったアイウェアの「One for One」では、一つ購入されるごとに1人の視力を回復させるという活動になっており、単にメガネを届けるだけではなく、視力が回復するために治療などの必要な支援が届けられる。パートナーには、現地に根づいて活動する人道団体を選定。現地の需要を的確に把握して適切に応えていくことで、生活をより良いものにするビジネスを続けている。
バッグの日本での販売開始は、3月13日からすでに各「TOMS」のショップで販売を開始している。
*1:Millenium Development Goals Report 2014, United Nations
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