「自分らしくある」というのが、ファッションの楽しみであり良さ。でも心がいきいきと潤っていないと、それを十分に発揮できないのかもしれません。イースト・ロンドン、ハックニーにあるレディースセレクトショップ「69b Boutique」。自分らしさを作るものは、ただの見た目だけでなく、心を大切にすることだと呼びかけるような、自然体で心地よい空気感に、ピリッと効いているモードのスパイスーー時代の空気を取り込みながら、ハートを大切にさせてくれるものづくりをするブランドを多数揃えたショップです。
「69b Boutique」のオーナーであり、もとは世界的なモード誌の数々でエディターやスタイリストとして活躍していたMerryn Leslieに、「69b Boutique」を設立した思いや経緯について尋ねました。
―― 「i-D magazine」といった世界的なモード誌のエディターとして活躍し、さらにイギリス版「Vogue」や「Harper’s Bazaar」などでファッション撮影のスタイリストをやっていたキャリアをお持ちです。環境や社会といったことに方向転換をしたきっかけはなんだったのでしょう?
6年働いた「i-D magazine」を辞めたとき、巨大なファッション産業のビジネスのやり方にすごくフラストレーションが溜まっていたんですね。「i-D」はとにかく自分らしくあることを是としています。アイデンティティをしっかり持ち、いきいきと自分を表現することーーそういったことを読者に訴えている雑誌です。巨大なファッションビジネスを担う企業の方々と仕事をするうち、どんどんやることは増えていくんですけど、それをこなし、キャリアの階段を登っていく中で、私の心は、その「いきいき」というところからはどんどん離れていくようでした。
そんな気持ちになっているとき、この巨大産業の裏側みたいなものに興味を持つようになったんです。それこそ、種のことから、糸が生まれる瞬間、そしてお店に商品が卸される瞬間のことまで知りたくなって。一度人が着たら価値がなくなってしまうこととか、いろいろ勉強しました。ドキュメンタリー映画を見たり、本や論文を読んだり。そうしたら、いままで知らなかったひどい事実にどんどん出会って、大きなショックを受けました。
―― それでお店を立ち上げた、と。あなたのお店「69b Boutique」についてもう少し教えてください。
環境や社会にやさしいコンセプトで何かする以外ないわ! と思って。そしたら、パーティである友人と偶然にも運命的な出会いをしたの。その人がいま「69b Boutique」がある土地を所有している人を紹介してくれたの。何回か会ってしゃべってたら、「そういうコンセプトのファッション性のあるショップをここでやってみない?」って声を掛けてくれたのよ。
それまで、サステナビリティをコンセプトにしたショップをしているブランドをそんなに知らなかったんだけど、調べてみたら、いっぱいあるのね。この分野はこれからどんどん成長していくって思ったの。
―― どんなブランドがオススメですか?
いっぱいあるわよ。「Ancient Greek Sandals」「Kowtow」「Marimekko」「Sonya Kashmiri」「Diarte」「Beaumont Organic」「VEJA」「Joanna Cave」「Underprotection」「Danielle Foster」。
―― プライベートでもビジネスでも、今日までの間の、「最も大きな成功」はなんですか?
環境や社会にやさしいコンセプトに基づいてビジネスをできるのは、個人的にもすごい成功だと思ってるわ。社会性のあるメッセージを持つことは好きなの。とても誇らしい気分になるわ。
―― 「69b Boutique」の目標について教えてください。
世界中の人に「69b Boutique」のことを知ってもらいたいわ! 何か良いことをしながら、お買いものを楽しみたい人にとって、「69b Boutique」がとっても良い場であると知ってもらえたら嬉しいわ!
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