ニューヨークコレクションで史上初、ダウン症を持つ女性モデルが誕生して話題になっている。世界で初めてダウン症のあるモデルとしてランウェイを歩いたのは女優のJamie Brewer（ジェイミー・ブルーワー）。テレビドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー」で知られるほか、ダウン症のコミュニティーでも精力的に活動。その姿がニューヨークコレクションに参加するデザイナー・Carrie Hammer（キャリー・ハマー）の目に留まり、モデルに起用されたという。
「美しさとは、自分の内側から湧き出るものだということを、ちゃんと知る必要があると思うの。自信・自分の道を切り拓く力・自分らしくあること……そういったことが美しさにつながっているんだってね」ーーそう話し、コレクション発表にランウェイモデルではなく、「ロールモデル」を起用したのが、デザイナーのCarrie Hammer。
Carrie Hammerは、UCLAで経済学を専攻後、ニューヨークにある広告代理店営業部の重役として活躍。その後転身し、2012年にブランドを創設した。実店舗を持たず、販売はオンラインショップのみだが、ニューヨークで働く女性たちを中心に大きな人気が広まっているという。「プロフェッショナルな女性がターゲット」というとおり、リーズナブルな価格に加えて個人の体型と好みに合わせてカスタマイズできる点が人気のポイントになっている。
「女性たちは『ランウェイモデル』ではなく、『ロールモデル』を手本とすべき」という思いから、Carrie Hammerはかねてより「Role Models Not Runway Models（ランウェイモデルじゃなくてロールモデルになろう）」キャンペーンを展開。既存の美しさの基準に囚われない、パワフルな女性像を打ち出してきた。2014年の2月に開催されたニューヨークコレクションでも、ビジネスの第一線で活躍する21人の女性をモデルに起用してコレクションを披露。その21人の一人に車いすに乗る女性を起用し、ニューヨークコレクション史上初めて車椅子のモデルが登場したことで、世界の注目を集めた。
Jamie Brewerは、このキャンペーンに参加し、2月12日のコレクション発表でランウェイをモデルとして歩いた。米・ET Onlineの取材に対してJamie Brewerは、「本当に素晴らしいこと。ファッション業界が障害も個性として考えてくれることが、障害を持つ女性として本当にうれしい」とコメントしている。
参考：Sarah Flanigan “‘AHS’ Star Jamie Brewer Talks About Being First Model With Down Syndrome at NYFW” ET Online, February 18, 2015
KARA MCGRATH “Jamie Brewer To Model For Carrie Hammer At NYFW, Talks Why It’s Taken So Long For Our Notion Of “Perfect” To Change” Bustle
