アップサイクルの元祖との呼び名も高い、スイスのバッグブランド「FREITAG(フライターグ)」。中古のトラックの幌(ターポリン)と捨てられた自転車のチューブとシートベルトを使った自転車用のメッセンジャーバッグが特に有名な同ブランドから、初のアパレルアイテムが登場する。
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フライターグ兄弟(有無)とノルマンディー地方の亜麻畑
「FREITAG」のアイテムは、全てが一点物でハンドメイド。ストリートやヘビーデューティー、ユーモアといった感覚もありながら、エコロジーやロングライフといったエシカルな観点も兼ね備えている。これらアイテムを作るために、汚れたトラックタープを屋上に貯水した雨水で洗浄するなど、生産と流通場面で働く同ブランドの従業員。彼らは常に作業服を着用しており、それがいつも兄弟の悩みの種だったという。そこで自ら、一から従業員の服を開発することを決断したという。
すぐさま、テキスタイル エンジニア、テキスタイル デザイナー、仕立屋から成る専門のチームを組織。余分な資源を排出することがなく、輸送距離も短く、化学薬品を過度に使用しない生地と洋服を開発するよう依頼した。そこで生まれたのが、ヨーロッパ原産の植物繊維である亜麻と麻にモダール®を添加してできた「F-ABRIC」という新しい生地だ。この素材は、有害な残留物を残すことなく有機的に生分解される。ライニングやラベルなどの付属品も生分解可能な素材が使用されている。もちろん、ヘビーデューティーにも対応。工場の過酷な作業にも耐えることができる耐久性を持ちながら、仕事の後の激しい遊びにも耐えることができるという。
根気強くサプライヤーを探し、輸送距離の短縮化にも成功。麻などはフランス、オランダ、ベルギーから調達し、ポーランドとポルトガルの工場で縫製が行われるなど、全ての段階でチューリッヒにある本社から2,500km圏内で生産可能な生地に仕上がった。
20年にわたり、バッグを作ってきた同ブランド初のアパレルコレクション。しかし彼らは「『F-ABRIC』はバッグメーカーが作るアパレルコレクションではない。この新しい生地は、『FREITAG』がさらに新しい服、バッグ、または彼らが思いつくさまざまなものを作りだすためのもの」と話す。「F-ABRIC」は、11月18日からFREITAG Storesにて発売開始。ここから始まる新たな「FREITAG」から目が離せない。
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織布工場のあるイタリアからポーランドへ抜けるゴッタルド峠と、縫製工場:F-ABRICの24時間耐久テスト
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