バルマンを連想するシルエットがなんともパワフルでエレガントな「Sakina M’sa」は、デザインのみならず、素材もパリ・モードのエッセンスが凝縮されている。それは、バレンシアガやイブ・サンローランを含むオートクチュールブランドのストック・ファブリックを組み合わせているものだから。そこから描き出される力強いカラーリングコントラストは、どこかデザイナーのルーツを感じる。
同名のデザイナー・Sakina M’saは、アフリカ大陸東南部、マダガスカル島とモザンビークの間にあるコモロ諸島の出身だ。「Eluxe Magazine」がこの新しくスポットライトを浴びている才能にインタビューを行った。
―― どんな女性をイメージしてデザインしていますか?
トレンドやルールに縛られない自由な女性をイメージしています。現代のファッションが画一的だと思っている女性に、自由に組み合わせられて思い切り個性を発揮できるようなアイテムを提案していきたいと思っています。
―― どんなデザイナーに影響を受けましたか?
Bernhard Willhelm、Walter Van Beirendonck、Rei Kawakuboではないでしょうか。身体を開放する喜びを表現しながらも、意味を追求する苦しみを投げ出していないこの3名に、敬意とシンパシーを感じています。でも、最も影響を与えてくれたのはデザイナーではなく舞台監督の・Tadeusz Kantorですね。この道で生きていく決心を与えてくれました。
―― あなたは素材からデザインをするタイプですか? それともデザインから素材を探し出すタイプですか?
デザインも素材もどちらも同じくらい重んじています。オーガンザの落ち感が好きですし、ものの背景に歴史のある素材が好きです。シルエットには確固たるこだわりがあります。素材とスタイルのバランス感が、私のミューズ像を描き出していると思います。
―― なぜサステナビリティがあなたにとって重要なのか教えてください。
持続可能なかたちでビジネスを成長させていくのは、必ず考えないといけないことだと思うからです。ファッションは世界を良い方向に変えられると思いますし、幸いにも若いデザイナーはそのことに敏感に反応しています。サステナブルなビジネスの成長は、私たち自身の労働環境と自然環境を良くすることに直結しています。大手企業がいままでの行いを反省して、アクションを取り始めたのは良い傾向ですよね。
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