エシカルファッションで活躍するみなさんの「好きなもの」をご紹介するまったり企画。今回は、2001年設立以来、Made in Japan にこだわり続けてきたブランド「Cil(シル)」の田川文子さんにご登場いただきました。「Cil」のアイテムは繊細で手触りもとってもなめらかですが、田川さんは快活ではつらつとしたカッコイイ大人の女性。そんな田川さんの素顔に迫ります。
―― 一日のうち、最も好きな時間は?
布団に入るとき。
―― 朝一番最初にすることは?
ロイ君、鉢植えのミニバラと「神さま」に水を与えること。我が家には神棚はないんですが、両親が会社の成功を祈って買ってくれた大きな熊手があります。それを両親にもらったときに、「ちゃんとお水をあげるんだよ」と言われて、毎朝の日課にしています。
一時期本当に体調が悪いときがあり、血液がどろどろになってしまって言葉も出なくなってしまったことがありました。そのとき、コーヒー以外は水ばっかりを飲むように生活を変えたら、どんどん調子が良くなってきたんです。そのとき「水ってすごく生命に力を与えるものなのかな」と感じて、一日の始まりに「水」に関わることを習慣にしています。
―― 好きな本を教えてください。
唯一全巻揃えたマンガというのもありますが、大友克洋さんのSFマンガ「AKIRA」です。
寝る前に小さい子どもに読み聞かせをするというと、ふつうだったら絵本などを読んであげますよね。娘が小さい頃、私も最初は絵本を読み聞かせしていたんですが、だんだん読むものもなくなってマンネリ化してきて……。ついに「AKIRA」を読んであげていたんです。戦闘シーンには「ガガガガー」って効果音ばかり。娘にとってもおもしろい体験だったみたいで、いまでも2人の笑い話になっています。いろんな本を考えましたが、特に「AKIRA」は娘との思い出でもあり、おもしろい存在です。
―― 好きな絵画/画家を教えてください。
クリムトとエゴン・シーレです。昔、複数の画家の作品を展示した絵画展を見に行ったときに、その2人の作品が並べられていたのですが、クリムトの神々しくて愛に満ちた光の溢れる感じと、対照的なエゴン・シーレの「影」の対比がすごく印象に残って、いまでもあの光景を覚えています。エゴン・シーレのデッサンは見た瞬間鳥肌が立って、そういう絵になかなか出合えません。
最近、日本画に興味を持ち始めています。2013年、復興支援の目的に米国・プライスコレクションが仙台、岩手、福島の3つの美術館で展覧会「若冲が来てくれました」を開催しましたが、私も福島まで見に行ってきました。日本画は、画集などで見ることはあったのですが、やっぱり生の絵の迫力には圧倒されました。若冲は特に好きで、ボキャブラリーの豊富さ、見たことをないものを絵にできる想像力、時代をありありと描いているところ……全て好きです。老後の目標は、日本画や水墨画に挑戦することです。
―― 自分以外に好きな人いるのかな? と思うようなちょっとマニアな趣味がありましたらぜひご紹介ください!
趣味というよりコレクターなのが、イタリア版「VOGUE」。会社を作ったときから買っていて全部持っていて、それらを眺めるのが老後の楽しみです。ちなみにモード雑誌の世界で異色な「WeAr Magazine」も、創刊号以外はあります! 創刊号、どなたか持っていたら譲って頂けたらうれしいです……!
―― 今日が地球最後の日だとして、誰と何を食べたいですか?
娘とチョコレート。
―― 得意料理を教えてください。
料理らしいことはできないのですが、たまご好きなのでオムレツとだし巻きたまご。
―― 尊敬する同性はどなたですか?
自分も母になってみて実感するのは、やっぱりすごくたいへんだということ。だから、働くお母さんみんなですね。娘のことも、地域の方々、先輩ママ、保育園や学校の先生……多くの方に育ててもらったと思っています。仕事をしながら母親をするのはたいへんですが、支え合っていきたいです。
―― 2週間お休みがあったらしたいこと・行きたいところは?
行きたいところはたくさんあります! でもとにかく、空を飛びたいです。
―― 最も好きな場所はどこですか?
実家の縁側。ロイ君と一緒にそこで夜空見ることが癒しの時間です。