中国での化学物質による水汚染をなくすことを求めた国際環境NGO・Greenpeaceの「デトックスキャンペーン」は、大きなインパクトをもたらしており、Stella McCartney for Adidas、Zara、Valentinoなどのビッグネームが賛同して取り組むことを宣言している。名だたるビッグネームが改善への取り組みを始める中、イギリスのアイコンともいえるブランド・Burberry(バーバリー)が遅れをとっていた。しかしこのたび、同ブランドは、デトックスに取り組むことを発表した。
同NGOがBurberryのキッズウェア9点を検査したところ、1つを除いた8つでノニルフェノールエトキシレート(※NPEs; ノニオン性界面活性剤の一種。ゴム用老化防止剤、酸化防止剤の原料として用いられる)などの化学物質が検出されたという。調査結果をもとにGreenpeaceが働きかけた結果、Burberryは2020年までに有害物質を全廃すると合意し、ウェブサイトで公式発表した。
これらの化学物質の中には、工場や衣類自体から環境中に排出されて河川や水路に蓄積され、内分泌系に影響を及ぼし、生体に有害な影響を引き起こす可能性が指摘されている物質もある。さらに我々消費者が洗濯するごとに、洗い流された化学物質が環境中に排出される。その中で、大きなブランドが一つ加わることの意味は大きい。
Greenpeaceが検査したBurberryのサンプル品から有害とされる化学物質が検出されたのは子ども服だけではなく、成人用のコートなどのアイテムからも検出された。また同ブランドはダイオキシンの発生源とされるポリ塩化ビニル(PVC)などのプラスチック材を多用しているほか、レザーのなめしや生地の染めに有害な物質を多用している。
このたび発表された同社のプレスリリースによれば、2014年12月までに使用される化学物質のリストを公開するなどサプライチェーンの開示をするほか、地球を汚染する過フッ素化合物類パーフルオロケミカルズ(PFCs)など有害な化学物質を撤廃することを約束している。