バングラデシュ・ダッカで4月24日に起きた8階建てビル崩壊事故。ビルには、世界各国のアパレルブランド製品を作る縫製工場などが入居しており、この事故で衣料品を製造するアジアの工場での劣悪な労働環境や安全基準の問題が改めて浮き彫りになった。この事故に対し、スペイン人アーティスト・Yolanda Domínguezさんが崩壊事故を「再現」して抗議するアート動画がYou Tubeに投稿され、話題になっている。
「Fashion Victims」と題されたこの動画は、スペイン・マドリードの高級街地区のアパレルショップの前で崩壊事故を「再現」したもの。Mangoなどのファッションブランドが並ぶグラン・ヴィア通りのアパレルショップの前で、倒れ込こむ女性たちが映し出される。その女性たちファッショナブルなかっこうをしているものの、コンクリート壁や段ボール、パイプ、がれきなどの山に埋もれている。崩落事故の現場が再現されたかのような光景に、通行人たちはぽかんと見つめたり、写真を撮ったりある女性は、倒れている女性のがれきを振り落とし、脈を確認するなどのさまざまな反応が映し出されている。
Yolandaさんは公式ホームページ上で、「安全基準が守られていない工場の労働者やその公害に苦しむ人たち、児童労働を強いられる子どもたちの問題を浮き彫りにしたこの事件を通じ、誰が真のファッションの被害者(「ファッション・ヴィクティム」)であるのかを訴えたかった、責任ある生産と消費を訴えたい」と綴っている。